繁盛店の店づくり vol.203
元は八百屋だったという同店。角地ということで、外壁を設けず、開口部を大きくとり、入りやすくした
(写真左)アシスト横浜弘明寺店 店長 西川心太郎さん、(写真右)スタッフ 門脇大地さん
門脇さんが査定を行った時、あるお客から、怒られてしまったことがあった。「高級食器を箱に戻す時、違う包み方をしてしまったことが原因でした。しかし、その後、そのお客様からは何度も持ち込みをしていただき、出張買取にも伺うようになりました。『品物を大事に扱う、価値がわかるお店だから』と言われたのが、嬉しかったですね」と門脇さん。
「生前整理や引越しなどの片付けの際、思い出の食器を手放すことに悩む女性は本当に多い。そこで、食器のリユースをもっと広められないかと考え、この店をオープンしました」。そう話すのは、アシストの西川心二社長だ。
(写真上下)店頭にテーブルを並べ、500円コーナーを設置したところ、入店率が上がり、売上が伸びた。「当初は画廊のように食器をディスプレイしていました。見ているだけでも楽しい店にはなったのですが、なかなか売れなかった。500円コーナーを作ってからは、立ち止まってくれるお客様がとても増えました」(西川心太郎さん)
白い壁のおしゃれな外観にすることで、リユースの抵抗感を和らげた。今では買取客から「うちの食器がこの店に並んでいるのを見ると嬉しい」と言われるまでになっている。
同店が目指しているのは「超地元密着」型店舗。人通りの多い商店街にあり、毎日来店するお客もいることから、店舗では「和食器の日」「新品未使用食器の日」などのイベントも開催し、飽きさせない工夫をしている。
同店がある「ぐみょうじ商店街」。全長312mものアーケードに、約130店舗が軒を連ねる、賑やかな商店街。同店の近くでは、美味しそうなお惣菜の香りも漂う
また、今年2月には、お客から「絶対載せた方がいい」と紹介された地元のタウンニュースに広告を掲載。すると、翌日20件もの買取客が殺到。今ではほとんど広告を打たなくても、買取客が来るようになった。
「ブランド食器しか買い取ってもらえないと思っているお客様も多いので、接客の時に、『普通の食器もお持ちください』と伝えています」と店長の西川心太郎さん。
総合リユースの買取専門店が母体となっていることから、「食器をキッカケに、家具などその他のものの買取に繋げていきたい」と西川店長は話している。
買取専門店チェーンの強みを活かし、買い取った家具を什器として再利用。右のカップボードは「売ってほしい」と言われることも
今力を入れているのは、お酒の買取。食器との親和性も高く、店頭にも空き瓶をディスプレイしてアピールしている
夏に向けて、ガラスの酒器や食器を積極的に陳列。季節感も出すように工夫している
オープン | 2018年11月22日 |
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取扱い商品 | 食器、贈答品 |
客層 | 男:女=1:9 メインは50〜70代 |
スタッフ数 | 1人 |
備考 | 売り場面積/5坪 客単価/1,600円(店頭のみ) 月の売り上げ/約70万円(店6:ネット4)※出張買取除く アシスト横浜弘明寺店を運営するアシストは、買取専門店を東京・神奈川に7店舗運営している(販売しているのは横浜弘明寺店のみ) |
第468号(2019/07/25発行)13面