繁盛店の店づくり vol.204
海福雑貨の外観
遠藤 和海さん
アンティーク類は、市場や美術交換会、骨董市で仕入れる他、年に1回はアメリカの東海岸に買い付けに行っている。
雑貨屋に興味がある人向けに「雑貨屋体験」も行っており、そうした活動から、仲間を増やしていきたいと考えている。
ジャンル分けできない
不思議な世界観の雑貨店
「自分の好きなものだけを扱うというのがコンセプト。西洋骨董でも和骨董でもない、何系とは言えない世界観の店ですね」と、海福雑貨の遠藤和海さん。開店当初は作家ものや輸入の雑貨がメインだったが、アンティークや輸入雑貨も扱うようになった。
現在提携している作家は約60人。頻繁に稼働しているのは30人ほどで、委託販売のスタイルをとっている。
2012年、本店が入っているアパートの上の部屋が空いたことから分室をオープン。分室に行くには一度店舗を出て、店舗脇の階段を上がる必要がある。1階は万人受けするような可愛い雑貨がメイン。月替わりで作家さんを特集し、コーナーを作っている。
1階は可愛いアクセサリーや文具など、一般受けしやすいアイテムをおいている。これは作家さんのコーナー
海賊をテーマにしたコーナーにある拳銃のレプリカはスペインから輸入したもの。コスプレイヤーにも人気のアイテム
イタリアのガラスペンも人気。価格は5,000円から1万円ほど
作家もののアクセサリーも人気商品の1つ
オープン当初から人気があるのは、エジプトから輸入している香水瓶
2階の分室には鉱石やガラス瓶、昆虫標本なども並び、博物館の倉庫のような雰囲気を出し、違ったイメージを打ち出している。
こじんまりとした店内だが、約2万点の商材が並ぶ。週末になると、独特なセンスでセレクトされた雑貨を求めるお客で、店内がギュウギュウになることもあるという。
現在ツイッターのフォロワーが5万4,000人ほどおり、そこで情報発信をすることで、問い合わせが来ることが多いと言う。
「東林間の雑貨店同士で、お散歩マップを作るなど、横のつながりを強めています。町全体で集客ができればいいと考えています」と遠藤さんは話している。
分室のレジカウンターは遠藤さんの手作り。「素人が作ることで、歪みや遊びができて、異質な空間を演出できます」(遠藤さん)
カウンターの下にはライトを仕込み、商品に光が当たるようにしている
陳列棚も、りんご箱を改造したもの、雑貨メーカーから仕入れたものなどをミックスして配置。意外性が出るようにあえてバラバラにしている
分館の鉱石を陳列しているコーナー。ここでは新品でもパッケージを取って、むき出しにして並べている。値札もなるべく見えないよう、裏側や底に貼っている。「プラスティックのパッケージがついていると雰囲気が出ません。手間はかかりますが、その積み重ねで雰囲気が作られていると思います」と遠藤さん
6畳1間のアパートを3部屋繋げた形の分室。元々奥の1部屋からスタートしたが、どんどん拡張し、独特の入り組んだ空間を作っている
店内にはドライフラワーが多く飾られており、こちらも販売している。「魔女の薬草庫のような感じが出せますし、薬瓶などを花瓶として使いたいお客様が、買っていくケースが多いですね」と遠藤さん
分室の売れ筋の1つ、動物のイラストが可愛いお薬手帳
オープン | 2007年(2階の分室のオープンは2012年) |
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取扱い商品 | 作家雑貨約3割、アンティーク約3割(国内4:海外6)、新品雑貨約3割 |
客層 | 男:女=1:9 メインの客層は20代 |
スタッフ数 | 4人 |
備考 | 店舗面積/1階は約10坪、2階の分室は約15坪 店頭在庫/約2万点(内作家の委託分は約1万点) 客単価/2,000〜3,000円 |
第469号(2019/08/10発行)11面