従来ある無機質なPC店のイメージを覆し、家族連れや女性客1人でも入りやすい雰囲気で、客層拡大に成功している。
繁盛店の店づくり vol.212
家族連れまで客層拡大
吉祥寺の商店街の中にあるジャンクワールド吉祥寺店の外観
コンクリートと木材の組み合わせが、お洒落なカフェのような店内。思わず入ってみたくなる雰囲気を演出している
これまでのジャンクワールドの客層は30〜40代の男性。ほぼ9割が男性客だった。それが吉祥寺店の男女比は半々。休日は家族連れも多く立ち寄る人気店になっている。
同店にはほぼ壁がなく、道路から歩きながらそのまま店内に入ってこられる。外気に晒されている分、常にスタッフは掃除をし、清潔感を保っている。
「パソコンのスペックがどんなに高くても、キーボードにホコリが溜まっていると店の印象が悪くなってしまいます。特に女性のお客様は清潔感を気にされるので気を付けています」と店長の蟻坂晴雄さん。
ジャンクワールド吉祥寺店 店長 蟻坂晴雄さん
パソコンの他にも100円単位で買えるおもちゃや、ラジコンなども販売。親がパソコンを見ている間、子どもが飽きないような工夫もしている。
子ども連れにも入店してもらえるよう、店頭には「光るヨーヨー」などのおもちゃを置いて販売している
売上も順調に伸びている。「幅広いお客様に購入してもらうためには、中古パソコンに対して安心感を持ってもらうことが重要だと思っています」と蟻坂さん。同社ではハードディスクを交換し、新たにOSを入れ直して販売。そのことを地道に接客で伝えてきたことが、信頼に繋がっていると話す。
2万5000円以上のパソコンを購入したお客には、5000円キャッシュバックの下取りキャンペーンも実施。これが好評で販売を後押ししている。
こだわっているのが、商品のスペックを表す、手書きのPOP。「パソコンで作った方が簡単ですが、店内の雰囲気に合わせて、温かみが出るように手書きにしています」と蟻坂さん
パソコンを陳列するメインの什器は、店舗デザインをしてもらった業者に依頼し、オーダーメイドで製作
ウィンドウには、今後力を入れていきたい商材、スマホやタブレットなどを陳列
古いタイプライター(非売品)やグリーンなどを店内にディスプレイ
店内にはMacの昔のモデルも展示。「懐かしい」と言って、店内に入ってくるお客もいる。様々な入店きっかけを散りばめている。ちなみに、写真の什器は海外からの輸入品。小物の在庫を入れており、お客が引き出しを開けて自由に見られるようにもしている
暑さ対策にエアカーテン
一部のウインドウを除けば壁がなく、常にフルオープン状態の同店。夏の暑さ対策として、エアカーテンを導入している。気温が高い時には、店頭に空気のカーテンを作り、冷房の空気が外に逃げないようにしている
オープン | 2017年7月29日 |
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客層 | 30〜70代 |
備考 | 店舗面積/23坪 男女比/女性:男性=5:5 店頭在庫/ノートパソコン約50台、デスクトップパソコン約40台、その他スマホ、タブレット、PCアクセサリー、玩具など ジャンクワールドはこの他に中野ブロードウェイ店、下北沢店、東村山店がある。 |
第480号(2020/1/25発行)9面