ブルックリンで開業してからはアメリカと日本との法律や商習慣をはじめ、様々な違いに驚く日々が続きました。世の中が徐々に円安になってきた頃、それまで現地スタッフの給料は日本円で送金していたのですが、「ドルで引き出すと目減りしてしまうので何とかしてほしい」と言われました。そこでアメリカで設立した会社から給料を振り込むことになりましたが、この変更が意外に大変でした。
保険も定年もなし、アメリカ型の雇用は大違い
アメリカの会社から給料を払うと、当然ながら日本と同じ雇用形態で社員を雇い続けることは難しいとわかりました。「円で支払うかドルで支払うか」という問題に加え、雇用形態・税金・保険・年金の問題がありました。現地の会社から給料を払うと、日本の年金と保険が使えなくなるのです。
第594号(2024/10/25発行)17面