《皮革製品修復ラボ(37)》百貨店への出店、百貨店客行きつけと並び立てるか

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《皮革製品修復ラボ(37)》百貨店への出店、百貨店客行きつけと並び立てるか

2016年04月10日

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皮革製品 修復ラボLesson.37 百貨店への出店

「腕が良ければ人が来る」は幻想

「世はメンテ時代」とは、百貨店の人が言った言葉だ。百貨店は「カウンセリング&ソリューション」に夢中だ。

今はネットで何でも購入できる時代で交通の便もよい。東京や大阪や名古屋や海外のお店に買い物に行くのも容易だから、地元の百貨店に行く理由がさしてない。

160410_06_hikakuseihin_labo.jpg白衣を着て接客する女性技術者

しかし修理はどうだろうか。わざわざ遠方に出かける人は少ない。つまり地元の百貨店にとってこれはチャンスだ。購入後のお手入れや相談にのることができてこそお客とリレーションを築くことができる。

そして、物販ならお客さんの来店は1度だが、修理なら出す時と取りに来る時で2回の来店になるため客数は2倍に跳ね上がる。車でわざわざやってきたお客さんは、その後化粧品や食料品も購入して帰る。

また、当店の平均修理受注単価は2万円だが、百貨店の人は、「2万円のバッグを売るよりも楽だ」と評価する。バッグを売るには接客をして、鏡の前で悩まれて時間もかかるが、メンテはお客さんが勝手に並んで勝手にお金を払ってくれるのだから手間が全く違う。

そんなわけで、前回は百貨店に美靴工房が出店し1週間300万円売り上げている話をした。

川口 明人氏≪筆者 Profile≫ 川口 明人氏

1960年、神奈川県生まれ。根っからの靴、バッグ好き。大学卒業後ヨーロッパに渡りフランスのシューズブランドに就職。帰国後は婦人靴ブランドのマネージャー、ブランドバッグ販売責任者、婦人靴メーカー商品企画・製造責任者などを歴任。皮革製品修復の「美靴工房」立ち上げに参画。現在は同社の専務取締役として女性修復師チームを率い数多くのメゾンブランドから指名を受ける。メディアにも度々取上げられており、質店・ブランドリサイクル店にとっては駆け込み寺的存在。

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389号(2016/04/10発行) 6面

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