Lesson.12 リピートされる定員のつくり方
知識面で信頼できる店員にお客は付く
最近、百貨店のバッグ売り場からのオファーで勉強会の講師をつとめることが増えた。皮革製品のメンテ法などを教えるが、百貨店がこれを学ぶ目的は①クロージング(購入決定)を早める②店員にお客をつける。の2つだ。
「お似合いですよ」「流行ですよ」も大切だが、「こうすればこのバッグを長く使えます」「こうなってしまったら、相談してください」というアドバイスが、接客において重要だと理解され始めたのだろう。
知識面において信頼できる店員には、その場限りでないお客がつく。お客にアドバイスできる店員が居る店は、ネット販売とも大きな差別化が図れる。
リサイクルショップにおいては、顧客としっかりと関係を構築できれば「欲しい商品があるから探して欲しい」「売る時もこの店で売りたい」とさらに発展していく。
そこで、これから何回かにわたり「リピートされる店員」のトーク集を紹介していこうと思う。下のセリフと解説を覚えて、実際の接客で使ってほしい。
余分な湿気を吸い取り、バッグの型崩れを防ぐためだ。
紫外線があたると、皮革が劣化し退色も進んでしまう。
湿気は大敵。カビが生えないよう風通しのいいところで保管しよう。高額なバッグほど出番が少なく大事にしまいこまれているケースが多いが、大切に保管していたつもりがカビだらけ...という惨事になるケースも。事前にお客さんにアドバイスしてあげよう。
取扱説明書もなく、もちろん洗濯表示(笑) も無い。
だからこそ、どう使ってどうメンテナンスし、どのように保管すればいいのか。お客さんに説明できる店員は支持されるのだ。
1960年、神奈川県生まれ。根っからの靴、バッグ好き。大学卒業後ヨーロッパに渡りフランスのシューズブランドに就職。帰国後は婦人靴ブランドのマネージャー、ブランドバッグ販売責任者、婦人靴メーカー商品企画・製造責任者などを歴任。皮革製品修復の「美靴工房」立ち上げに参画。現在は同社の専務取締役として女性修復師チームを率い数多くのメゾンブランドから指名を受ける。メディアにも度々取上げられており、質店・ブランドリサイクル店にとっては駆け込み寺的存在。
328号(2013/09/25発行)4面