店単位のチーム力を高める育成術
社員150名、パート・アルバイト650名を抱えるゼロエミッションの人材育成法に迫る。
ゼロエミッション
店舗運営部 原田健一部長
チームで強くなっていくには、「自発的に考えて行動できる人材」が必要。それを意識し、最近の研修でも座学ではなく。グループワークなどを積極的に取り入れるようにしています。私の仕事は、指導することではないと考えています。現場の社員やスタッフさんが働きやすい環境を整えること。それは常日頃心にとめて、業務にあたっています。
関東を中心に、ハードオフなどを75店舗展開するゼロエミッション(東京都八王子市)。現在社員数は、150名、『スタッフ』と呼ばれるパート・アルバイトは650名以上にのぼる。
同社の人材教育の指揮をとっているのは、原田健一部長。社員向けに研修会を行ったり、自ら各店舗に赴き社員・スタッフたちの悩みに耳を傾けている。原田部長も約10年間現場での経験がある。そこで培った経験をもとに、「店というチーム単位で見たときに、それぞれがそれぞれの役を全うできるチームプレイ力が何より大切だと考えています」。
チームで戦える〝自発的に考えて行動できる人材〟
バイトから社員へ、仕組みを明確に
パート・アルバイトから正社員になる率が多いという同社。それまでは各店舗の店長が推薦すればなれるなど、「制度もあいまいで、明確化できていなかった」と言う。そのためせっかく社員になっても、「イメージしていた働き方と違う」と退職する者も少なくなかったと言う。そこで昨年から制度を明確化した。
ゼロエミ社員採用制度
・毎年1~3月に募集。上期、下期に分けて試験を行う。
・条件を明確化。リユース検定を持っている者、適正・能力検査をパスした者、他店舗で1ヵ月トレーニングした者...など。これをクリアできた者が、役員面接に進み、合格後社員に。
上司は「引く」姿勢が大切
同社では、スタッフ用の相談窓口電話があり、パート・アルバイトでも気軽に本部への連絡が取れる。しかし、「本部の人間が現場に口出ししすぎると、部下が働きにくくなってしまう」という考えから、まずは適切な部署に報告している。
例えばスタッフさんから、「店長に不満がある」と電話があったとします。まずは話を聞くだけです。そこで意見や指摘役はしません。次に店長の上である、ブロック長に報告し双方に話を聞くように指導します。
私が前に出て解決しようとすることで、変にこじれたり、ブロック長たちの仕事を取り上げてしまうんです。何よりスタッフさんが、私に言えば何でも解決してもらえるという勘違いを防ぐためです。
410号(2017/02/25発行)10面