バンク、質アプリ「CASH」16時間で3.7億円分の申込み
2017年07月10日
「CASH」をバンクがリリース
ITベンチャーのバンク(東京都渋谷区)が、不要品を数秒で現金にかえるアプリ「キャッシュ」をリリースし話題をさらった。2ヵ月以内なら、キャッシュ化した現金と手数料を支払って取引をキャンセルすることができる。あたかも、WEB上で利用できる質店のようなサービスだ。7月5日時点では、3・7億円分もの利用が殺到し、開始16時間34分で査定サービスを停止したままの状態が続いている。
16時間で3.7億円分の申し込み
キャッシュのアプリをダウンロードし、保有しているアイテムの情報を入力。写真を撮影し投稿すると査定結果が表示される。査定額は上限2万円まで。
金額に納得してキャッシュ(現金)にすることを選択すれば数秒で現金化され、コンビニや銀行振込で受け取れるというのが仕組みだ。その後、2ヵ月の期限内に集荷依頼をし、アイテムを発送すればいい。
その期間にキャンセルすることも可能。キャッシュ化した現金と手数料を支払えば、アイテムを保有しつづけることができる。質草を入れて利息と共に返済するかのようなこの機能をもって、一部の報道では「質屋アプリ」という呼ばれ方をしている。
手持ちの不要品をつかって手軽にレンディングできる新しいサービスとして話題になり、バンクの想定以上に依頼が殺到。開始16時間34分後に査定機能を一時停止した。しかしその短い間に7万2796回アイテムがキャッシュ化され、その総額は約3億6600万円にもなった。尚、1アイテムあたりの平均キャッシュは5031円で、キャッシュを返さないと選択されたアイテムは7512個だと公表している。
バンクは「毎日7000点以上のアイテムの受け取り処理や、3・5億円以上のキャッシュを供給する体制や規模が整っていない」と説明した。
ネット質店と呼ばれているが、バンクは質屋営業の許可は取得していない模様。質預かりではなく買い取りを行って、アイテムを送るかどうか2ヵ月の猶予をつくっているというのが同社の見解のよう。古物商許可は取得している。関連法に抵触するのではという意見も散見されるが、リユースや質の領域でもユーザーは、既存のルールに縛られない新しいサービスを待ち望んでいることを浮き彫りにした。
バンクCEOの光本勇介氏は、ブラケット時代にスタートトゥデイの傘下に入り「ゾゾフリマ」を運営したこともありリユースに関する知見が高い。
キャッシュの紹介ページ
419号(2017/07/10発行)1面