「認定マークだけで信用は危険」 ATF柴友昭氏に聞く偽造品排除とは?
2018年06月27日
「認定マークだけで信用は危険」
ATF柴友昭氏に聞く偽造品排除
真贋で偽造品排除
同協会の創設は、2002年まで遡る。経済産業省が各業界に呼び掛けて偽ブランド品連絡協議会を結成。その中に数社の質店が含まれており、彼らがATFの前身である偽ブランド品対策全国質屋有志会が発足させた。
2003年には現在の名称となり、2008年には一般社団法人となる。現在は181社が加盟する。協会の目的は偽ブランド品の排除、会員店舗はホームページ上で確認できる。
確認はコチラから
http://www.atf.gr.jp/store/search.php
ATFでは鑑定という言葉は使わず判定と呼ぶ。真贋鑑定をできる権利はブランドホルダーにしかないためだという。それでも本物かどうか疑わしい商品は販売しないようにと独自基準を定め偽造品や改造品の排除に取り組む。
消費者の保護だけではなく「業界を浄化したい」と柴氏は語る。
判定はどのように行われているのだろうか。最新技術と、各質屋の長年の経験知から怪しい部分がないかを判断するという。ブロック会議で判断が難しいものは本部の判定部で判断。それでも難しい場合には全国の会員の意見を聞き、皆の意見で販売すべきか否か決める。最終的に協会基準内、基準外、判定不能の3つに分類される。
鑑定書は発行しておらず、判定を行ったものについてはデータベース上に蓄積している。例年100件前後判定しており、昨年は80数件を判定した。多いのは皮革製品で6~7割を占めるという。
最新技術も使い偽造品排除 それでも判定不能品も
巧妙化する偽造品排除するため、最新技術の導入にも余念がない。
紫外線を当てての目視判定やX線での素材検査、電子タグの確認、時計の振動数チェッカーなど様々な技術を用いている。X線検査は金属の素材を見分けられるため時計など金属製品への利用が多いが、バックなどにも用いるという。
金具の材質などで判断がつく場合もあるそうだ。「昔はルーペで見ればなんとなくわかっていたものも多かった」が近年は偽造技術も巧妙化しており「多様なアプローチが必要」と柴友昭氏は近年の判定の難しさを語る。
真贋の技術に日々磨きをかけるが、判定不能品は出てくる。一般人から見ると疑わしい点があるならなぜ基準外としないのか疑問もあるかもしれない。
不能品の多くは型が古い海外品など流通量・情報が少ないものや、ロゴもないシンプルなシルバーアクセなど判定しようにも基準が取れないものだという。限りなく本物に近い特徴もあるが、偽物の特徴も兼ね備えるなどどちらともいえない例も存在するそう。
判定不能品については会員企業には扱わないように推奨している。
認定マークだけで信用は危険
最後に、自分の目で見て確かめることが難しいネット上で、消費者が二次流通商品を買う際に行うべき自己防衛術を聞いた。
なんらかの認定マークがあるお店で買うことはもちろんだがそれだけでは十分とは言えないという。
まず、マーク自体が信頼できるかどうかを確かめること。特に審査せずに付与されているなどしないか必ず確認する。ATFやAACD(記事リンク)など大きな協会の加盟店を選んで利用するのは比較的安心できる方法だと柴友昭氏は語る。
次に、公式サイトで本当に加盟店かどうか確認する。少し手間はかかるが、認定店を勝手に騙る悪質サイトが後を絶たないためだという。
ATFは公式HP上で確認できた悪質サイトを公表し、注意を喚起している。
「大体連絡先がないのでこちらからアクションがしようがないので、皆さんに注意してくださいというアクションしかできない」(荻原氏)とのことだ。
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