【IKEA家具リペアに参入】 修理・下取り・再販の循環型経済へ

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【IKEA家具リペアに参入】 修理・下取り・再販の循環型経済へ

2018年07月20日

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要約すると.ブルー.png

・家具量販店のIKEAが家具修理に参入する
・背景に同社が開始した家具下取りと中古家具販売サービス
・リペア強化で中古販売と下取りの相乗効果を狙う


IKEA家具リペアに参入
修理・下取り・再販の循環型経済へ

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▲本社オフィスの入るIKEATokyo-Bay


家具量販店のイケア・ジャパン(千葉県船橋市)が、同社で販売する家具のリペア・ケアサービスの構想を明らかにした。
開始は1年半後を目途に検討している。昨年から実施している家具の下取り・アウトレット販売サービスの好評を受けての試みで、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実現を目指す。


例えばペンキが剥がれてしまった場合にそれを塗りなおすといったケアや破損箇所の修理まで行っていくことを検討している。

イケアではスペアのねじを無償で提供するサービスを行っているが、より強化する形だ。
これにより、多少のダメージで廃棄せざるを得なかった商品を長持ちさせることができるようになる。

背景には同社が昨年開始した家具の下取り・還元サービスの好調がある。
1年間で3800点の下取りを実施し、そのうち80%が既にアウトレットで販売済み。想定以上のニーズを見出せたという。

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▲アウトレットの販売エリア

また、下取りの利用者がそのまま新製品の購入に繋がっており、「平均すると下取りで還元したポイントの5倍の金額分が購入されている」(マティ絵莉サスティナビリティ・マネージャー)ことから、下取りと販売で相乗効果を狙えるとみている。

ここに修理を追加することで余分な廃棄を防ぎ、下取りから購入につなげていく。
下取りした商品はアウトレットで販売する。
こちらは
①セカンドハンドに抵抗がなくなってきた層
②ライフスタイルにより短期間での買い替えが必要な層
③イケアの商品を廉 価に手に入れたい層にアプローチする狙いがある。

6月には短期間での下取りを想定し、還元サービスをリニューアルした。
ベビー用家具など一部商品を対象とし、1年以内であれば料金の最大50%をポイント還元する。

同社は今後、ヨーロッパや米国で評判のいい「イケアハック」の日本展開も見込んでいる。
これは家具を部屋のサイズに合うように修整する、好みの色に塗り替えるなどイケアの既製品をパーソナライズするもの。

また、家具のレンタルサービスも視野に入れていると言い、これが実現されればイケアグループ内で初の事例になる。
「日本はホームファニッシングに対して興味が薄い」(マティ氏)という。

欧米諸国に比べて家のスペースが狭く、家具をストックしておく余裕がないため、購入や買い替えに奥手になる傾向がある。
イケアの商品の下取り・還元とアウトレットによる販売で家具の買い替えに対するハードルを下げていきたい考えだ。

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▲サスティナビリティ・マネージャー マティ絵莉氏

第443号(2018/07/10発行)24面

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