イーベイ・ジャパン、ebay主催セミナーに100名が参加
2019年02月24日
▲リユース企業を中心に約100名が聴講。イーベイ・ジャパンのスタッフやソリューション企業の担当者らが講演を行った
越境EC熱が沸騰
ebay主催セミナーに100名が参加
イーベイ・ジャパンが1月31日、イーベイに出店検討するリユース企業に向け「越境ECスタートアップセミナー」(後援:リサイクル通信)を開催した。同社は約10年に渡り行なってきた支援実績を基にイーベイで活発に取引される商品の販売傾向などを紹介。また、越境EC支援を行うソリューション企業 も講演とブース出展を行ない、情報収集と交流の場となった。
流通の6割中古
米国以外も伸び
イーベイは世界に1.8億人のアクティブバイヤーを擁する越境ECプラットフォーム。常時12億個の商品が出品され年流通総額は約10.6兆円。販売額の約6割を中古品で構成している。ー数はアメリカが1位だが近年は米国以外からの購入が伸びていら。
日本からの販売先は約半分が米国で3割がヨーロッパ。欧州では海外から物を購入することに抵抗が少ないと言われ、例えばイギリスでの越境を通した1人当たりの年平均消費額は77万円。因みに中国のそれは12万円で英国の越境消費への根強さがわかる。
タックスリターンで3月が絶好の機会
日本からはファッション商材が売れている。特に中古ブランド品が売れ筋で半分以上はハンドバッグ。同社がバイヤーに行なったアンケートで「なぜ日本の商品を買うのか」の問いに対し、現地相場と比べ安価な面や日本の真贋力の高さに安心できるというのが有力な回答だった。ブランド別ではバッグならルイヴィトン、シャネル、エルメス。
時計ならロレックスやオメガ。特に3月の販売が伸びる。米国ではタックスリターンと呼ばれる、過払いした税金が戻ってくる時期が春先に到来。財布の紐を緩める大きな要因となっている。
発送期間考慮し年末商戦は11月
日本から販売されたカメラの購入者は65歳以上が中心でプロのカメラマンも多い。中古カメラを出品している業者は多く、高品質な商品と丁重な対応により世界的評価が高い。カメラはPCからの商品検索・購入の例が多く、それに合わせセラーが商品ページに説明と写真を沢山盛り込みトラブル回避する努力をしている。売れるのは3月と11月。発送期間を考慮し、12月よりも11月の取引が旺盛なのがイーベイの特徴だ。
売れ筋はニコンのフィルムカメラ。一方、デジタルカメラの供給量は少なくチャンスがある。ゴジラなどのソフトビニール製品やポケモンカードも売れ筋だ。またゲームでは昨年12月に任天堂スイッチソフト「大乱闘スマッシュブラザーズスペシャル」が発売され、ゲームキューブの中古コントローラが、イーベイでかなり検索されている。
イーベイではコレクタブル商材を買い求 めるバイヤーをトレジャーハンターと呼んでいる。その人たちは、商品自体よりもキャラクターを求める傾向が強い。例えばドラゴンボールなら本、ファミコンソフト、ポスターと、キャラクターが載っていれば何でも欲しがるバイヤーが存在。ティーンやミレニアル世代が多くを占め、11月に取引が活況となる。
新規セラーはまず低単価出品から
イーベイ内で国ごとの個別サイトに出品する際、在庫連動を図るための「マルチシンクツール」というものがある。例えば在庫1点の商品をイーベイUSとイーベイUKに出品したとする。一方のサイトで取引が成立した場合、もう一方のサイトの在庫数を素早くゼロとする作業が必要だ。同ツールを導入すれば、在庫管理の手間を簡略化できる。
また、イーベイ・ジャパン公認でコンサル事業を行うkumajoi(東京都台東区)は3つのことを助言した。1つ目は、新規セラーはまず、低単価出品から始め取引実績を重ねていくこと。2つ目はセラーパフォーマンスの意識。在庫切れや発送遅れなどトラブルによってはアカウントが停止される。3つ目が出品時の商品タイトル。
イーベイではバイヤーに検索されないと商品を見つけてもらえない。商品名、型番、JANコードの記入を推奨する。同セミナーは約100人が聴講し賑わった。中古家具や雑貨等を扱うリユース店を展開し、海外販売が未経験という業者の1人「越境ECに適した商材はこれから決めて行きたい。活用は前向きに検討していく」と意気込んだ。また中部地方で総合リユース店を展開する業者の1人は「近年は人口減が影響し店舗縮小している。を取り入れていく」と話した。
第457号(2019/02/10発行)24面