ヴァンベール、従業員研修会を開催
2019年03月21日
注目企業
▲店舗運営を担うパート従業員が一堂に集った
激安古着店「たんぽぽハウス」を展開するヴァンベール(東京都中央区)は2月、東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京にて社員研修会を行った。年一回ペースで開催しており、従業員の士気向上や理念の共有を図っている。羽田健一郎社長が自社の方向性を話した他、顧問の岡田経営研究所・岡田皓三氏によるセミナーや業績進捗の発表があった。
従業員研修会を開催 「たんぽぽハウスは『八百屋』」
第一部は岡田氏による「利益を生み出す努力」をテーマにしたセミナーが行われた。同社の店舗で働く従業員はパートタイマーがほとんどだが、店舗における買取り・販売価格の決定権など大きな裁量を与えられている。「収入-支出=利益」といった基本的な概念から始まり、利益と赤字の境界線となる損益分岐点売上高の計算式などを説明した。
各店舗の実績をもとに計算し、改善点を指摘するなどした。第二部では社員の代表者が業績進捗を発表した。その中で、「そもそも売り上げが良い状態とは何か?」と問いかけた。同社は売り上げ=お客の要望を満たした結果だと定義。実際に売れている商品を例に、低価格商品のニーズを強調した。その上で、低価格商品を軸に店舗運営をしていく為に必要な考え方を説明した。商品の価格と回転率を比較検討した際の状態判断や対処法を説明した。
最後となる第三部では羽田健一郎社長が登壇。自身が深く影響を受けたとする経営評論家・倉本長治氏の著作「店主宝典」を紹介した。その中から特に重要なエッセンスとする6文を紹介。その中の一つである「繁盛とは、たった一人のお客が繰り返し繰り返しお買い物に来てくれることの累積に他ならないという、簡単な事実を忘れている商人のなんと多いことか。」の一文を取り上げると、「たんぽぽハウスには毎日お店に来て商品を見ていくお客がたくさんいる。昨日と今日で同じ商品が並んでいるとわかって指摘してくるくらいだ。こういった人たちに手に取ってもらえるような商品を揃えていくのが弊社の『商売』だ」と締めくくった。
春物スカート52円で
研修会後日、西葛西本店で春物のスカートを52円で販売することが同社のTwitter上で明らかになった。たんぽぽハウスに関するツイートを見てみると、「消費税8%なのに税込105円で販売してるのすごい」「たんぽぽハウスの105円コーナーで揃えた服を10年着倒せる奴が真の買い物上手」といった根強いファンが散見される。今後の同社の取り組みに注目だ。
第459号(2019/03/10発行)12面