中古スマホの取扱に基準 消費者の利用不安払拭へ
2019年03月29日
中古端末市場の成長を目指すリユースモバイル関連ガイドライン検討会(以下検討会)が3月、関連事業者の自主基準として「リユースモバイルガイドライン」を発表した。状態の格付けやデータ消去、法令遵守など、端末取引における一連の業務を標準化する。自主基準を設けることで中古端末に対する消費者の不安を払拭し、市場を拡大していく狙いだ。
中古端末の取扱に基準
消費者の利用不安払拭へ
ガイドラインでは中古端末ビジネスの業務フローを買取、検査・格付、販売に区分けし、それぞれの段階で遵守すべき法令や標準的な実施の方法・望ましい実施の方法などを整理する。例えば検査・格付内の外装評価では、液晶面などの傷や破損の状態からS(未使用品)・A・B・C・J(ジャンク品)までの評価基準を設定している。
中古端末流通の為の土台は整いつつある。2月にはNTTドコモがSIMロック解除の条件を緩和した。秋口バンクも続くと見られている。携帯端末と通信契約をセット販売することで、端末料金を安く見せる「セット割」も政府で問題視されており、今夏には禁止される見通しだ。これにより新品の端末料金が高騰し、廉価な中古端末の存在感が増すと予想されている。中古への期待が高まる一方、依然として消費者には中古端末の動作や個人情報等のデータ扱いなどの不安があり、利用拡大の足かせになる可能性がある。自主基準を設けることで、そうした消費者の不安をやわらげる。
今後は認定事業者制度の運用や準拠表示の体制を整え、10月を目途に発効を目指す。検討会は総務省やリサーチ会社のMM総研がオブザーバーとなり、中古端末事業者の業界団体であるリユー スモバイル・ジャパンと、携帯端末の登録修理制度の発展を目指す携帯端末登録修理協議会それぞれの有志企業により昨年7月に発足した。携帯市場の粟津浜一社長が座長を務める他、ゲオやブックオフコーポレーションなど12社が参画する。
第460号(2019/03/25発行)1面