ゲオ、おお蔵を買収 中古ブランド事業を強化

検索

ゲオ、おお蔵を買収 中古ブランド事業を強化

2019年04月17日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ゲオホールディングス(愛知県名古屋市・以下ゲオ)は4月9日、中古ブランド品の卸や輸出、古物市場運営を手掛けるおお蔵(福岡県福岡市)を買収する。これまで手薄だった中古ブランド事業を強化する。全国に店舗展開するリユース業界最大手が本格的に参入することで、競争がより激化しそうだ。

おお蔵外観写真.jpg

国内店舗を拡大

 おお蔵は2004年の創業。2018年12月期の売上高は128億円、税引前当期純利益で3億4000万円。主に古物市場で買い付けたブランド品を国内外の事業者に販売。香港や米国などの海外輸出の割合が高い。また、ハッピープライスと共同でブランド品の業者間オークションJWAを運営する他、新宿歌舞伎町、上野御徒町で買取販売店の展開も行っている。

 ゲオはおお蔵の株式を全株取得し完全子会社化する。全国に621店(FC含む)を展開する「セカンドストリート」で中古ブランド品の取扱いを強化していく考えだ。また、おお蔵が展開する小売販売店の出店を加速。買取専門店の出店も並行して行っていく考えだ。さらには、衣料品で先行する米国での海外展開の強化にもつなげ、中古ブランド事業で500億円の規模を目指す。

 ゲオのリユース事業は、ゲームや衣料・服飾雑貨等では業界トップの優位性を築いているが、ブランド品は手薄だった。そこで商材の調達力や海外展開にも強みを持つおお蔵の買収を決めた。おお蔵の古賀清彦社長は、「自分の年齢や事業承継の問題に加え、もっとスピード感を持った店舗展開を考えた際に、ゲオさんの力を借りることができればと考えました」と売却理由を話す。

 現状は、2店舗だがおお蔵の利益の2割を稼ぐ。インバウンド向けの販売が主のため、都心部を中心に小売店を拡大。ゲオの資金や店舗開発力、人員の出向などの支援を受けながら拡大を図っていく。古賀社長は、現役職を継続しながらゲオの執行役員にも就任し、ゲオグループのブランド事業責任者として事業拡大の役割を担うことになる。

 リユース企業のM&Aは近年加速しており、業界再編の波が訪れている。中古ブランドを主に扱う事業者では昨年、一風騎士銀蔵を、航空券の比較予約サイト「スカイチケット」を運営するアドベンチャーギャラリーレアを買収した。

 ゲオはこれまでもM&Aを駆使して成長を図ってきた。リユース事業の主力となっている「セカンドストリート」は、2008年に買収したフォー・ユーがベースとなっている。

 

第462号(2019/4/25発行)

Page top
閉じる