《全国ダーツの旅☆富山県》デフォー 子どもの本の古本屋、小遣いで本を買う小4の女の子
2019年04月23日
リサイクル通信 全国ダーツの旅
~富山県 編~
ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー
▲店名は「ロビンソン・クルーソー」の作者ダニエル・デフォーに由来している
一人来店して店主と会話楽しみ
小遣いで本を買う小4の女の子
モノトーンで決めた服に身を包み、その小学校4年生の女の子は自転車に乗って一人でデフォー(富山県富山市)にやってきた。いつもは家族と一緒なので、「一人?」と店主の田中史子氏が尋ねると、後で家族と落ち合うとのことだった。田中氏はその子を3年ほど前から知っているが、着る物も次第に大人びて、思春期の入り口に差し掛かっているように思え、雑談の中で県内で話題のハンモックカフェの写真を見せると、興味津々の様子だった。やがて女の子は財布の中のお金を一生懸命確認してから、1冊の本を選んで差し出した。「小さい人のお財布にはより優しい店なので、100円値引きしました。以前からしっかりしていて、お小遣いで本を買うお子さんですから」と田中氏。
デフォーは県立図書館で長く司書を勤めた田中氏が若い子育て世代や中高生が買える安価な本を提供しようと2015年2月にオープンした古書店だ。田中氏は本を読み聞かせたり、しかけ絵本や玩具を置いたり、興味のありそうな話題を提供したりと、子どもにとって「本のある楽しい場所」になるように心を配っている。自身も本が大好きという田中氏は、遠方の孫へ本をプレゼントしたい女性や教室で読み聞かせる本を探す教師など、様々な人から寄せられる相談にも丁寧に応えている。
第461号(2019/04/10発行)17面