バイセルテクノロジーズ、着物リメイクの新事業 買取案件から15%受注目指す
2019年06月14日
出張買取を展開するバイセルテクノロジーズ(東京都新宿区)が5月、リメイクの新事業に乗り出した。個人の不要になった着物をミニチュアに作り変え、テディベアに着せ玩具化する。昨年は約25万件の査定依頼のうち半数が着物関連だった。その15%をリメイク受注に繋げたい考え。
同社は主にTVCMで着物の出張買取サービスの認知を高めてきた。対応エリアを全国に広げ、昨年着物関連で約100万点を買い取った。「ここ数年、着物の買取量は2割程度ずつ成長している」(取締役 経営戦略本部長 栗岡周平氏)
出張買取で個人宅を訪問した査定員が、着物を買取る代わりにリメイクを案内する。素材となる着物の状態に条件はない。
これまで同社では、カビなどの劣化が原因で買取りできなかったケースや、多数買い取った中から再販が見込めない着物を選別し、コストを掛け廃棄するケースもあった。このリメイク事業が、新たな収益源となる側面もある。
「まずはお客様からの要望ありきでのリメイクサービス。例えば親御様から着物を継承するも、普段使いしないために扱いに悩まれているという御子息様の声を聞く。『売る・捨てる』のほかに、形を変えて残すという選択肢を提示できることは、当社理念の『大切なものをつなぐ掛け橋となる』を体現できると考えている」(栗岡氏)
製作における費用は、ミニチュア化した着物を着せたテディベア1体あたり、1万9800円〜。同社が提携した事業者がリメイクを請け負う。製作期間は2ヵ月程。
第465号(2019/06/10発行)5面