エンビプロHD、航空機のリユースに参入 欧米企業に技術で対抗
2019年06月29日
金属やプラスチックのリサイクル事業などを手掛けるエンビプロ・ホールディングス(静岡県富士宮市)の子会社エコネコルは、防衛省航空自衛隊の入札で政府専用機「ボーイング747-400」2機を落札し、5月15日に売買契約を締結した。同社が航空機を落札したのは今回が初。今後は同事業を大型新規開拓事業と位置づけ、機体の解体・リサイクル技術の研究に乗り出す。
「元々当社グループは自動車や船舶や鉄道の動力車など『乗り物』のリサイクルを行ってきましたが、航空機についてはあまり身近な存在ではありませんでした。同事業を調査すると、使われている金属や複合素材の種類・割合などの変化に比例して、機体リサイクルの困難さが増すことを知りました。現在ではほぼアメリカ、ヨーロッパで独壇場である同市場に、弊社の『選別力』を武器に挑戦したい」(同社関係者)
落札額は非公表。機体は販売先の意向に沿って、カーゴの他、エンジンといったパーツとしての再利用、資源としてのリサイクルなどに使用されると見られる。また、炭素繊維やウレタンなどプラスチック類のリサイクルも視野に入れるという。
エンビプロHDは現在、ボーイング(米国)が主宰する機体のリサイクル・リユース団体AFRAへの加入手続きも進めている。
第466号(2019/06/25発行)4面