リユース大手の買収続々、業界再編が見られた2019年
2019年12月31日
2019 ニュースプレイバック!
2019年はリユース大手による同業者の買収が相次いだ。来年以降も、業界内の競争に注目していきたい。また今年は、リユース店の倒産増、バンク解散、キャッシュレス買取、バイセル上場などが話題を呼んだ。1年をランキング形式にプレイバックする。
1位 コメ兵がブランドオフを買収
中古ブランド最大手のコメ兵(愛知県名古屋市)が、同業7位のブランドオフ(石川県金沢市)を買収した。ブランドオフの売上高は2018年8月期で144.5億円。1億4500万円の営業赤字。コメ兵は「経験豊富な人材、買取販売の店舗、オークション事業、海外展開」を総合的に評価。これらを取り込むことで、成長の加速を見込めると判断した。売上規模は両社合わせ655億円となり、中古ブランドトップの地位を盤石にした。
2位 ゲオ、おお蔵を買収
ゲオHD(愛知県名古屋市)は4月、リユース大手のおお蔵を買収した。株式を全株取得し完全子会社化する。ゲオが展開する「セカンドストリート」で、これまで手薄だった中古ブランド品の取扱いを強化する考え。先行する米国での海外展開の強化にもつなげ、中古ブランド事業で500億円の規模を目指す。
3位 中古店の倒産数倍増
帝国データバンクによると、2018年度のリサイクルショップ倒産数は2000年の調査開始以来最高の30件にのぼり、前年の2倍に増加した。増加の背景について、同社はフリマアプリ拡大による事業環境の変化を挙げる。フリマアプリと出店を続ける大手リユース企業に圧迫される形で小規模事業者の淘汰が進んでいる面もあると思われる。
4位 バンク、解散
即時買取サービスCASH(キャッシュ)を運営するバンク(東京都渋谷区)が9月12日、解散すると発表した。CASHはアイテム情報の入力と写真撮影で査定結果が表示され、モノを送る前に現金化できる。世の中にインパクトを与えられるような規模までスピード感をもっていくためには、今の規模や体力では、相当な時間と努力が必要だと判断したようだ。
5位 楽天・ビックがキャッシュレス買取開始
楽天(東京都世田谷区)とビックカメラ(東京都豊島区)は7月、買取の支払いをポイントや電子マネーで行うキャッシュレス買取のサービスを開始した。両サービスとも利用時、現金取引より多くのポイントが付与される。
6位 トレファクが道具市場開催
リユース大手のトレジャー・ファクトリー(東京都千代田区)が来年1月から道具市場の開催に乗り出す。道具類の市場は手競りが一般的で、ネット上で競りを行うのは珍しい。主に家庭用の家電製品や家具、雑貨類等を競る。物流効果の集約化と古物市場機能を持つことによる自社店舗の強化が狙いだ。
7位 コメ兵、AIでブランド鑑定
コメ兵が真贋にAIを導入することを発表した。ルイ・ヴィトンの革製品から始め、対応アイテムを順次拡大していく予定だ。真贋はマイクロスコープを用いてアイテムの数ヵ所を撮影。10秒程度で判定が可能という。真贋に定評のある同社がAIを導入する狙いは信頼性を高めること、海外展開をスピーディーに行うためである。
8位 バイセルが上場
BuySell Technologies(東京都新宿区)が12月18日、東証マザーズに上場した。同社は芸能人の坂上忍氏を広告塔に起用したCMで知られ、出張買取を中心に行うモデルで成長してきた。2018年12月期の売上高は前期比13・5%増の101億1875万円、経常利益4億7300万円。
9位 セカストNY進出
ゲオHDが展開する古着店「セカンドストリート」がニューヨークに進出した。10月中旬にマンハッタン区ノーホー地区へ新店を出し、これで米国4店目となった。来年3月までに米国で10店を展開する予定だ。
10位 リユースモバイル関連ガイドライン検討会、中古端末の取り扱いに基準
中古端末市場の成長を目指すリユースモバイル関連ガイドライン検討会が3月、事業者の自主基準として「リユースモバイルガイドライン」を発表した。盛り込まれたのは、買取の確認事項、個人情報の取り扱い、品質管理など。
第478号(2019/12/25発行)5面