クラダシ、リセールで食品ロス削減《社会貢献に繋げる》
2020年01月05日
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~経済を変える!?最新シェアリングエコノミー動向~
廃棄予定の食品を販売
平均は定価の65%、会員8万人
10月から「食品ロス削減推進法」が施行され、飲食産業界がフードロス削減に躍起だ。その中で脚光を浴びるリセール企業がある。クラダシ(東京都品川区)だ。旧社名・グラウクスから6月に社名変更し、なお発展を続けている。
クラダシECサイト。商品は毎週入れ替わる
食品メーカーには「3カ月ルール」というものが存在する。3カ月売り場に出して売れなければ廃棄してしまうというものだ。クラダシはこうした売れ残り品など、売り物にならなくなった食品や美容品、日用雑貨等を各社から仕入れ、販売。1カ月で約600の商品が、平均して定価の65%程度で買えることが話題となり、会員数は8万人まで増加。半数以上がアクティブユーザーだという。
一般的に、売れ残りの安売りはメーカーにとって快い話ではない。しかし昨今では、クラダシが"救世主"になりつつある。製品の廃棄時に発生する処分費用がかえって売却益になり、更に販売額の一部がNPO法人や学生の活動費として寄付される仕組みを用意。クラダシが企業のCSR活動の手段となっている。クラダシは現在、2次流通ではなく"1.5次流通"として、社会貢献性を前面に押し出している。
本紙16年1月の取材では「時代が求めるサービスだ」と話していた関藤竜也社長。今は「時代が追いついた」と胸を張る。"SDGs" "エシカル"という新たな概念の浸透や、法制の整備を追い風に、今後は実店舗との提携を進めたい考えだ。「販路の制限はしていないため、クラダシを仕入先として活用頂くのも可能。既にホームセンター大手の島忠さんと取引している」(関藤社長)
関藤 竜也 社長
第478号(2019/12/25発行)14面