えんでんと、残された遺族の心に寄り添い見積もりから約1年

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えんでんと、残された遺族の心に寄り添い見積もりから約1年

2020年03月09日

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遺品整理ダイアリー Story6

思い出に寄りそって

遺品は故人の人生そのものであり、
残された者へのメッセージです。
遺品整理の現場から生まれた
ストーリーをお伝えします。

大切な身内を失った喪失感を癒すには時間がかかる。遺品整理と不用品回収の『えんでんと(千葉県市川市)』では、見積もりから作業に着手するまで、約1年かかった案件がある。

3年前の秋、50代の女性から、「両親が他界したので、実家の遺品整理をしたいから、見積もりに来て頂けませんか」と電話があった。

女性の実家へ見積もりに出向くと、郊外の広い一軒家だった。女性は一人娘で両親から可愛がられて育ったと語り、「思い出の品が多すぎて、なかなか処分の踏ん切りが付かないのです」と悩んでいる様子だった。

家の中にあるものを見ると、依頼者の幼少期の写真の多さや学校の通知表、賞状、その当時に制作した作品などが綺麗にしまわれていて、両親の娘に対する深い愛情が感じられる家だった。そこで鈴木金吾代表は「納得のいくまでご自身で時間をかけて整理されて、落ち着いたらご連絡下さい」と言い、遺品を整理するためのアドバイスをした。

鈴木金吾代表とスタッフ鈴木金吾代表(左端)とスタッフ

アドバイス受けて遺品を厳選

具体的には、まず一部屋を空けて、そこに思い出の品を集約させて残すものを吟味する。そして、自宅に持ち帰るにはかさばる家具やひな人形といった思い入れのある品々は写真に収めてデジタル化し、処分を考えるというものだった。

それから約1年後、その女性から「家の中に残っている物は全て処分して下さい」と電話があった。女性は自宅における範囲の物を厳選し、写真や大事に使っていた食器、時計、カメラ、額の絵などを都内のマンションに引き取ったようだった。それでも鈴木代表が「思い入れが深い物は出来るだけ処分をせず、海外又は国内でリユースし、どこかで利用されるようにさせて頂きます」と伝えると、「それなら良かった」と嬉しそうな表情を見せた。

「作業を進めると、ご依頼者様も気づかなかった写真や形見となる貴金属などが見つかり、とても喜んでいただけました。最後に『えんでんとさんにお願いして、本当に良かった』と言って頂けて、待つという判断をして良かったなと思いました」と鈴木代表。依頼者自身が遺品を選り分け、心の整理をする時間をとってもらったことが、満足度の高い遺品整理につながったのだ。

作業中の鈴木 代表作業中の鈴木代表

ロゴが入ったトラックロゴが入ったトラック


家や部屋の利用用途を確認し、
提案に反映させています。
鈴木金吾 代表鈴木金吾代表

「助けを必要としている方の力になりたい」と2011年にえんでんとを設立。現在、千葉県市川市の本社のほか、東京、神奈川、埼玉、千葉北、京都の5営業所で年間400件以上を手がけている。特徴の一つは、見積もりの際、作業を終えた後にその家や部屋をどうするのか確認していることだ。賃貸なのか持ち家か、その後の利用用途によって作業の提案も変わってくるからだ。もう一つは、買取した物や廃棄する物の中から再利用できるものを海外へ輸出していることだ。その売却益を見越して、請求額を安く設定している。

第482号(2020/2/25発行)19面

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