非対面質取引に関する特例措置に断固反対する6つの理由を語る【全質連 菊池 章二会長】
2020年06月02日
非対面質取引に関する特例措置、全質連は断固反対・白紙撤回を要望
質取引について非対面による身分確認を認める特例措置についてパブリックコメントが募集(4月23日に締切)され質業界で大きな話題となっている。そこで、全国質屋組合連合会の菊池章二会長に意見を求めたところ、特例措置について断固反対、警察庁に白紙撤回を要望していると述べた。反対の理由について本紙に寄稿された文面を紹介する。
全国質屋組合連合会 菊池 章二会長
この特例について全質連としては、断固反対をするとともに、白紙撤回して頂くよう強く警察庁へ要望しております。その理由の幾つかを述べさせていただきます。
1 我々業界にとって重要な法改正について、何故全く相談も無く、突然パブリックコメントが募集されたのか、この規制緩和に大きく関わる全質連1600余軒の質屋に、事前に相談、話があって当然のことです。今回のことは、防犯協力を第一としている全質連の全会員が驚き、怒りをも覚えています。
2 質屋、利用者、ニーズについて事前に実態調査等を全くしていないとの回答があったことに驚きでした。何故事前に、質屋業界の実態、さらに規制緩和に関わる取引の内容について、全質連及び個別の質屋、利用者に実態調査をしなかったのか。結果として非常に不完全でトラブル発生が予想される危険な特例措置となっています。
3 非対面買取が出来たから、質屋の非対面も出来ると回答がありましたが、事前調査をしなかったことで、大きな勘違いを元に作られている特例です。
買取と質は違います。買取は買い取って契約完了です。しかし質は預かって、蔵に保管して、そのままの状態でお客様に戻します。買取にはこれら質特有の作業がないのです。
4 この品物を戻すというところが、一番重要で、日常対面でもトラブルが起こりやすいところです。対面でなら、双方現物を確認してお返し出来ますが、
第488号(2020/5/25発行)9面