【コロナショック】感染拡大防止協力金、持続化給付金...
2020年06月02日
リユース店はもらえる?
中小企業などに向けた緊急経済対策として、国は売り上げが大きく減った事業者に最大200万円を給付する「持続化給付金」制度を設けている。東京都も休業要請に応じた事業者に対して「感染拡大防止協力金」を出す。これらの申請に対して、リユース店はどのように動いたのか。都内の様々な業種のリユース店に話を聞いた。
古着は古物だが、衣料は生活必需品
4月8日から休業しているA古着店。協力金と持続化給付金両方の申請を予定している。だが、協力金の申請は微妙という話が仲間内で出ている。「衣料品店は対象外。古着店は古物商だからギリギリ大丈夫かも」と話す。4月に米国に仕入れに行く予定だったが延期。ネット販売を始めたが、試行錯誤が続く。
カフェ併設のB古着店は、飲食のテイクアウトのみで営業中。協力金と持続化給付金両方を申請する予定だ。「テイクアウトだけでは非常に厳しい。20周年のイベントはスタッフがセレクトした洋服を送料のみでプレゼントし、自宅で喜んでもらう企画に変えた」と話す。
一方、両方とも申請しないというのは、北区の古着屋カチカチだ。平日は2時間時短、土日は休みにしているが、ネットの売上が若干伸びている。「1日に出す商品数を増やしている成果」と店主の宮本亮介氏。全体の売上は減っているものの、協力金も給付金も条件に当てはまらないと考えている。
協力金を申請した古書店は多い
4月末にオンラインで協力金の申請を済ませたのはC古書店だ。「古書店だから書類作成が大変だったということはなかった」と話す。「すでに休んでしまっているので、本当にもらえるのか、何度も電話で確認しました。協力金を申請している古書店は多いと思います」
持続化給付金の申請については税理士と相談中。店全体の売上は落ちているが、ネット販売は1.5倍に。条件に当てはまるか検討している。
市場再開を見越し融資を受け、資金調達
古本出張買取店のD店はほぼ通常通り営業。協力金と持続化給付金は条件が合わず申請しない。買取は少ないが、今年は例年よりネット販売が好調。
同店では、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」に4月中旬に申し込んだ。「今は市場も開催されていないため、確実に在庫は先細りする。市場が再開されれば、買いたい業者が殺到するだろう。古書は回転が悪いから、資金の回転は確実に悪くなると思う。それを見越して融資を受けることを決めた」と話す。
前年同月比での評価 リユース業には不利
神保町の「切手の柚子堂」は店頭販売のみの店舗。4月上旬から休業しており、売上はほとんどない。協力金と持続化給付金、融資も申し込むつもりだ。しかし、代表の冨田信太郎氏は書類作成で違和感も感じている。
「急に500万円の壺が売れたりする骨董店など、売上に波があるリユース業を前年同月比で判断するのはどうか。それに50万円で仕入れたものを仕方なく50万円で売っても売上となる。仮に差額で見ても、買取したものがすぐに売れるわけではなくタイムラグがある。こうした申請にはリユース業はデメリットが多いと思う」。
持続化給付金については売上が一定期間に偏在する事業者に特例を設けている。
第488号(2020/5/25発行)10面