《リユース×副業》コロナ禍で副業転売参入に波~土橋商店~
2020年06月04日
リユース・卸業者が商材支援
緊急事態宣言による時短や臨時休業を受けて、リユース実店舗の滞留在庫が増える一方で、不況による生活不安から副業として転売を始めるスモールBが増加している。リユース系の事業者や卸売業者の中には、これらの支援をすることでコロナ禍での三方良しを実現している事業者がいる。実態を調査した。
土橋商店
休業古着店の在庫、買取って副業者に卸す
卸サイト「超激安ドットコム」(運営:土橋商店、東京都中野区)の新規登録者が増えている。昨年3~4月の457人に対し、今年3~4月には903人に倍増。会員数は2.8万人に達した。要因は衛生用品の販売と、副業初心者の登録だ。
同社は4月、中野区にマスク1000枚を寄付。これがニュースサイトに掲載され、購入希望者の問い合わせが殺到した。マスク約20万枚が売れ、4月売上は昨年対比8倍に増加したという。
また、同社の販売する古着のアソート「服箱」が副業初心者に売れている。古着店と違い、ネットでは古着特有のニオイや細かい劣化が見られないため、実店舗より回転が速い。そのため副業初心者に向いていると土橋達也社長は話す。営業のできない古着店の在庫買取が増えたことも販売増加を後押しした。
土橋商店 土橋達也社長
一方、同社の主力商品であるアパレル季節商品では苦戦を強いられており、6月以降は涼感マスクや扇風機などの仕入れ・販売に注力する。「売れるもので儲けて、税金を納めて、本当に必要としている人に支援が届くよう頑張るしかない」(土橋社長)
第488号(2020/5/25発行)14面