宅配買取強化に必要な3つのポイントとは?
2020年06月21日
明日のリユースを創る!
実践マーケティング講座
~第21回 withコロナ時代のリユース業界を考える~
緊急事態宣言が、全国的に解除されました。コロナウイルスの大流行は一段落しましたが、北海道や北九州市の例を見ると、第二波第三波の再流行も十分考えられます。リユース企業の皆様は、最悪の事態も念頭に、ビジネスを行う覚悟が求められています。
withコロナ時代を生き抜くには「非対面取引を意識したビジネスモデルの構築」が重要です。コメ兵さんのIRを見ると、新規の宅配買取利用者は160%以上伸長。それを裏付けるように、Googleの検索ボリュームでは宅配買取・郵送買取のキーワードがコロナショック前より2倍近くに増えています。宅配買取などお客様が安心して非対面取引が出来るよう、デジタルシフトを始めましょう。
宅配買取・郵送買取のキーワード推移(Google Keywordプランナーより)
まずは「自店舗のHPがお客様を迎え入れられる体制になっているか」を確認しましょう。宅配買取強化で重要な要素は3つです。
1.見られるHP(LP)にする
2.サイトのCV率を上げる
3.利用中のUXを向上させるこの3つを意識しましょう。
1に関しては、スマートフォン表示対応の宅配買取専用のページが無い場合は、早急に作成しましょう。「買取方法の中の1つに宅配がある」ページと、宅配買取専用ページではCV(コンバージョン)率が異なります。また集客に関してもSEOのロジックは大きく変化しています。大量の買取実績の投下からコラム集客と適切な広告運用にシフトしましょう。
2ではまずサイトのCV数が取れているか確認し、取れていない場合は申し込み完了画面やLINE@のバナーなどにCVタグを設置しましょう。
デジタルシフトの第一歩は「情報(データ)の見える化」です。データからどこに問題があるかを予測し、それを元にPDCAを回すことが重要です。ジャンルにより異なりますが、アクセスに対するCVは3〜5%が良い宅配買取サイトの指標。CV率アップ対策としてはサイトの導線の見直し、チャットボットなどの誘導の強化、買取価格の明示や口コミの見える化による安心感の訴求などがあります。
最後に3について、貴社のサイトは以下に該当していませんか?
- ●顧客対応が全て手動でのメール対応(対応コスト掛かりすぎ、そもそもメールアドレスを持っていないユーザーが増加している)
- ●身分証をコピーで送付(コピー機が家に無い家庭が増加している)
- ●2回目以降の利用でも、毎回身分証の提示が必要(リピーターになるメリットが薄い)
システム連動は、顧客のUXの向上とスタッフの作業効率化を同時に実現します。デジタルシフトでは、リアルとWEBという2つの軸では無く、お客様の抱えている不満や不安を先回りできるよう、"お困りごと軸"でサービスラインナップを準備することが大事です。
佐藤 秀平
元船井総合研究所の経営コンサルタント。コンサルタントと経営者という2つの立場で、小売・EC業界に8年以上携わり、リユース事業・輸出輸入事業・OEM販売事業などを行い、ゼロから年商4億円の事業に成長させた経験を持つ。マーケティング全般とEC販売戦略を得意とし、自身もリユース業向けのシステム開発を手がける、株式会社NOVASTOの代表取締役を務め、業界の最先端のノウハウを追い求めている。現在コンサルティングのクライアントは、総合リユースショップ・買取専門店・中古工具専門店・ネット型リユースなど多岐にわたる。
第489号(2020/6/10発行)13面