【速報】質の非対面取引特例措置が見送りに
2020年08月03日
質取引を非対面で可能とする特例措置を定める内閣府令案について、警察庁は7月30日に同案を制定しないと発表した。
同案は3月25日から4月23日の間、パブリックコメントの募集が行われたもので、約1ヶ月の意見公募期間中に2615件の意見が寄せられた。賛否に関する内訳は示されていないものの、これらの意見に対し、警察庁は「慎重な立場からの御意見を多数頂く」として、質の非対面取引を認める内閣府令案の制定を見送り、引き続き幅広い観点から検討を行うとした。
寄せられた前向きなコメントとして「来店せずに質入れを行うことができれば利便性の向上につながる」というものが見られる一方で、反対意見として「質取引は、古物の買取りと違い、利用者の質物を大切に保管し、完全な形で返さなければならないところ、今般意見募集を行った内閣府令案に基づく非対面の質取引の場合、返還時の質物の破損や状態変化、紛失、取り違え、誤引渡し等が生じるおそれがある」「対面の質取引の場合には可能であった、質置主に対する観察や質問による盗品等の看破が困難になり、盗品等の流入が増加するおそれがある」というものがあった。
この件についてパブリックコメント募集期間中にSNS等では反対意見が相次いでおり、全国質屋組合連合会の菊池章二会長は「この特例について、全質連としては断固反対。白紙撤回して頂くよう強く警察庁へ要望しています」とコメントしていた。
第493号(2020/8/10発行)1面