巣ごもりで伸びる漫画全巻売り
若い組合員が高く買っていく
「振り」で古書を競る様子
折りたたみ台車のハンドルの高さにまで、いっぱいに積まれた「家庭医学・健康」の書籍。この一山が5000円で落札される――。こうした古書の交換会では、各々が仕入れた古書のうち自分が販売を得意としないジャンルを出品して、現金化していく。
「とうどく」の名前で知られる、東京読書普及商業協同組合(埼玉県さいたま市)では、コミック、小説、専門書、絵本、写真集、雑誌等を「振り」と「置き」で捌いていく。振りというのは、一般的なオークションのように手競りで競り上がっていくもの。一方の置きでは、束にした古書に封筒を添え、入札額が書かれた紙が封入されるのを待つ。振りではリアルタイムで競りの現場に居合わせる必要があるが、置きでは指定の時間内に下見と入札をすればよい。買い手の様々なスタイルに合わせようと、完成されたのが今の仕組みだ。
第497号(2020/10/10発行)7面