「山徳」買収、店舗在庫の"宝"を国内外ECに
新品・中古の書籍・ゲーム・トレカを主軸に「古本市場」等を国内で100店展開するテイツー(岡山県岡山市)が、中古品の国内外ECを強みとする山徳(石川県金沢市)を6月に買収した。仕入れと販売の面を両社で補完しあっていく。テイツー藤原克治社長に今後の構想を聞いた。
ゲームピコピコの文化に赤ちゃん返り
今後は体力に見合った「小型店」を
テイツーの2020年2月期売上高は214.4億円。うち中古の書籍・ゲーム・トレカで106億円を上げている。さらにこの中の3.4億円がアマゾン等EC販売によるもの。一方の山徳は中古のゲーム・トレカ・アイドルグッズのネット販売事業者。19年12月期の売上は15.4億円。テイツーは中古売上EC率1割を目指す。
── 山徳買収の背景について教えてください。
藤原 当社のEC販売網で言いますと、手元ではアマゾンなど力を持っているモールの中で商品を出しているだけで、要は自社サイトではやれていないんですね。今後ECを広げるためには、とにかく売る手段を増やさなきゃということと、物を動かすための環境整備をしなくてはいけないなと。そこで自分たちで一からというよりも、M&Aでということで色々とオーダーを出していたところ、当社としては山徳社が一番光って見えました。ほぼネットの彼らは国内外100ヵ国に物を送ったりしていますけれど、物を集めるノウハウを強化したいと。そこで、その部分は当社リアル店舗から供給していけば彼らのパイプにいっぱい乗せていける。これはマッチするなと思ったんです。
── 両社の重なる商材というのは、例えばトレカとか。
藤原 共通項はトレカ、レトロゲームが主です。トレカも色々あるなかで、当社として特にコレとは敢えて言わないですが、取り扱いが面倒で手を出しづらいものってあるんですよ。当社はゲームメーカーから直仕入れしており、そこのつながりが強いのでめちゃくちゃトレカは揃っているんですが、マニアックなものは得意でなかったりする。そこを山徳社はかなりネット販売で得意としている。
第499号(2020/11/10発行)9面