中国・独身の日にライブ販売、中古ブランド流通昨年の2倍
2020年12月02日
中国・独身の日にライブ販売
「中古ブランド流通、昨年の2倍」
中国で年間最大のネットショッピングセールの日「独身の日」が今年も11月11日に賑わい、日本からも中古ブランド品等が取引された。アリババの取扱高は4982億元(7.9兆円)にも上り、ECモール「タオバオ」のライブ販売には日本のリユース事業者も参画した。この反響を探ってみた。
ライブ販売の様子
独身の日の源流は、10年以上前に未婚の若者の間で始まった購買運動とされている。日本で中国向けのECプラットフォームを運営する企業の関係者によると、「やることがないなら買い物をしよう! と、アリババが年間最大のセールイベントを打ち出し、盛り上がるようになった」と説明する。独り身を表す「1」が4つ並ぶ11月11日が毎年独身の日に定められているが、中国では「ダブルイレブン」との呼称が一般的。今は未婚者・既婚者問わず、この日にネットショッピングするというのが風習になっている。
バイセルでは毎日配信「NBジュエリー売れる」
タオバオの認定企業であり、ライブ販売に長けたインフルエンサー(ライブバイヤー)と日本のリユース事業者をマッチングするショウシン商事(東京都豊島区) によると、「今年の独身の日におけるタオバオでの中古ブランド品の取扱高は、昨年のおよそ2倍」(モウショウシン社長)。この取扱高には日本以外の国から中国に寄せられたものも含むが、「真贋の精度や商品状態の高さから、日本が取扱高を押し上げている要素もある」(モウ氏)。ショウシン商事では今年の独身の日に際して、20人のライブバイヤーを日本のリユース事業者のもとへ派遣。「6時間の配信で、ジュエリーと時計を合わせて1000万円を売り上げた事業者もいた」(モウ氏)。
出張買取大手のバイセルテクノロジーズ(東京都新宿区)も、昨年5月からライブ販売に参入。国内では売れないでいるノンブランドジュエリー等を選別しライブバイヤーに販売を委託している。今年6月以降、ほぼ毎日にわたりライブ販売を行い、1日に100~200点を紹介している。「3万~4万円のものがよく購入されていく。自分の生まれ年が刻まれた金貨のペンダントに人気があるなど、マーケティングとしても使えている」(販売戦略本部・熊原隼平主任)。独身の日の取引実績は通常日と同水準だったという。「中古ブランド品の場合は毎日ライブ販売を仕掛けることで、ライブバイヤーの方のファンづくりに貢献ができる。今後は着物なども紹介できるよう、幅も広げられれば」(熊原氏)
第500号(2020/11/25発行)11面