月間1000万人超が利用する地元の掲示版サイトを運営
クラシファイドサイトと呼ばれる掲示板サイトの国内最大手で、地域での不用品の販売や譲渡のマッチングサイトとしても利用されているのがジモティー(東京都品川区)だ。2020年2月に東証マザーズに上場。個人も法人も無料で掲載できるとあり、月間ページビューは約8億、MAU(月間利用者数)は1000万人を超える。リサイクルショップでも利用が広がっている。加藤貴博社長に聞いた。(聞き手:本紙取締役部長 瀬川淳司)
Profile(プロフィール)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、2001年に株式会社リクルートに入社。インターネットマーケティング局、フロム・エーナビのプロデューサー、カーセンサーネットの編集長、新規事業開発責任者を経て、2011年より株式会社ジモティー代表取締役に就任。
輸送コスト下げれば価値は残っている「配送前提じゃないのもあっていい」
── ジモティーには地域ごとに売ります・あげますや求人、不動産などさまざまな情報が掲載されていますが、何を目指したサービスなのでしょう。
加藤 会社の経営理念として掲げているのが「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」というテーマです。「可視化」とは情報として見えるようにする場をご提供すること。人の役に立ちたい、誰かに使ってほしいという気持ちがあっても形にする場所がないと、人に見える状態になりません。「人と人の未来をつなぐ」というのは、それを見つけやすい状態にして、探しやすい、出会いやすいサイトの機能を提供することです。配送代行だったり、リアルの部分も含めて、見つけやすい手段を提供することが役割と考えています。
── モノにフォーカスすると、どういったシーンで使われることが多いですか。
加藤 分かりやすいケースとしては引っ越しです。モノが一気に必要になったり、不用になったりします。2つ目は買い替えです。家の中の需要が移り変わるタイミングで、家に必要なモノも変わるので、ジモティーを使って頂きやすいタイミングになります。
── 利用者は40代以上が7割以上、女性が約6割を占めるそうですね。
加藤 子育て世代の主婦の方が一番のマジョリティーだと感じています。お子さんがいらっしゃるご家庭の方が、家の中の家具・家電のニーズが移り変わっていきやすい。家の中のモノを処分する意思決定権を持っているのが主婦の方ですからね。一人暮らしって、自分で思い出してみても、大学生の時に家具・家電を入れ替えた記憶が一回もない。生きていける最小限のモノが揃っているため、なかなか変えるニーズが発生しづらいですね。
第503号(2021/1/10発行)12,13面