古物市場とは?初心者向けに参加方法を解説(2024年版)

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古物市場とは?初心者向けに参加方法を解説(2024年版)

2024年02月19日

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古物市場とは?初心者向けに参加方法を解説(2024年版)

古物をもっと安く仕入れたい、探している古物を仕入れたい。買い取った商品や売れない在庫品を早く換金したい。古物の売買をされている方は誰もがこのような悩みに直面することがあります。

そんな悩みを解消してくれるのが「古物市場(こぶついちば)」と呼ばれる場所です。もし、売上をもっと増やすために仕入れを強化したい、販路として同業者に買ってもらいたいと思っているなら、ぜひこのページを読んでみてください。古物市場がどんなところで、どうすれば参加できるかが具体的に分かります。不安に感じる初心者の方でも安心して参加できる知識が身に付きます。(ここでは、中古車を対象から外しています)

 目次

 1:古物市場ってどんなところ?

 2:自分に合う古物市場とは?種類と開催方式を知ろう

 3:開催日と時間を調べよう

 4:参加に必要な費用

 5:初めて参加する場合の手順

 6:知っておきたい参加のマナー

 7:まとめ

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1:古物市場ってどんなところ?

古物市場は、古物商同士が古物を売買する場のことです。プロ同士が競りを行う魚市場や青果市場の古物版をイメージして頂くと分かりやすいでしょう。参加者は、買取専門店や回収、買取販売を行うリユース事業者、リサイクルショップ、質屋、卸業者、個人事業主から、海外系のバイヤーなどさまざまな方がいらっしゃいます。

古物市場イメージ図

古物市場を利用するメリット

売る側にとっては、買取や回収した商品や滞留在庫品を換金する場として、買う側にとっては仕入れの場として活用されています。古物市場には売り手、買い手多くの方が参加するため、その時の適切な相場で取引されやすいメリットがあり、相場の動向を知る上でも貴重な場となっています。

古物市場の運営方法

古物市場運営者は、出品者から寄せられた荷物(商品)の集荷・検品を行い、競りがスムーズに進行するように管理します。競り日当日は運営を行う一方で、出品者の指値(最低希望落札金額)に届かなかった商品について売り手と買い手の間に入り、歩み寄れる金額を探ります。これを後交渉(あとこうしょう)と言います。また、落札者の支払い金額の集計及び代金の回収、出品者に支払う金額集計及び支払いも間違いが許されない大事な業務です。小物を扱う古物市場では、落札者の商品梱包及び発送を行う役割も担っています。

参加には古物商許可が必要

古物市場に参加するには、古物商許可証が必須となります。そのため、全国各地で毎日のように開催されていますが、その存在は一般の方には知られていません。また、市場は主催者の承認が必要です。場合によっては参加者の紹介がないと入会できないところや、新規の参加を募らず、クローズドで開催しているところもあります。

2:自分に合う古物市場とは?種類と開催方式を知ろう

古物市場は各会場によって取扱い商材のカテゴリーが異なります。まずは自分が出品したい、仕入れたい商品カテゴリーを扱っているかを知ることが大事です。また、競りの方式は主に3つ、取扱い商品は次の4つの種類に分けられます。

これだけ押さえておけば安心「3つの競り方式」

手競り型

会場で購入したい品物の値段を声に出して競りを行う方式が手競り型です。中には発声と同時に指の形で数字を表すことで、市場を進行する"振り師"に確認してもらいやすくする方もいらっしゃいます。振り師が開始値を発声する発句(ほっく)をもとに、一度だけ落札値を参加者が同時に発声する1本槍(通称:ポンやり)と、最高値を超える額で声を出し合っていく競り上げ式があります。

また、ブランド品や宝石を競る古物市場の場合、開催日当日に現物を見ながら競りを行う「平場」と事前に商品の下見を行い、当日は競りのみを行う「大会」に分かれます。

会場に人が集まって開かれるため、休憩中などには同業者間で情報交換がなされることも多くあります。リアル会場に参加する醍醐味のひとつです。

オンライン型

パソコンやスマートフォンで参加し、購入したい品物の値段を入札したり、リアルタイムでボタンを押して入札していく方式がオンライン型です。現物の下見ができない古物市場が多く、商品画像で判断する必要があります(*現物の下見会場を設けているところもあります)。一般的には角度が異なる写真を6~8枚程度揃えています。

オンライン型の場合、参加者の存在が他の参加者に明かされることなく参加できます。また、会場に行く手間も省けるため利便性が高いことが評価されています。入札とリアルタイム競りがあり、入札の場合は、一定期間の間に入札を行えば良く、参加者の都合に合わせやすいため、海外バイヤーも参加しやすい傾向があります。

入札型

会場で商品の状態等を確認する下見を行うのが前提で、落札希望金額を入札する方式が入札型です。現物をしっかり見て確認したい方が多く参加されていらっしゃいます。下見期間中に入札が行えるため、参加者はスケジュールの調整がしやすい利便性があります。入札期間中は入札額を何度も変更することが可能です。

出品物には指値(最低希望落札金額)が設定されており、最も高い入札額が指値を上回っていれば、落札が成立します。最も高い入札額が指値を下回っていた場合、売主と最も高い入札額を入れた買主との間で市場を介した値段交渉が行われます。その結果、落札が成立する場合もあれば不成立となる場合もあります。

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コロナ以前に大会形式で開催していた会場の多くは、現在上記の入札型かオンライン型に分かれている状況です。以上、3種類の開催方式をご紹介しました。この中で、初心者の方には手競り型の「大会」形式は、競りのスピードが早いため、おススメできません。手競りであれば、まず「平場」で経験を積むことをおススメします。次に古物市場で出品される商品の違いについて、確認していきましょう。

市場によって異なる出品商品、4分類を紹介

●道具類

主に家具・家電、厨房機器、雑貨類などを取り扱う古物市場です。市場によっては新古品が出品されるところもあります。家具は家庭用だけでなく、オフィス家具も出品されます。大型な商品を扱うことが多いため、郊外の倉庫などで開かれることが多いのが特徴です。先ほど挙げた商品の他にもさまざまな商品や珍品などが出品される面白さもあります。

競りは主に手競りと呼ばれる方式で開催されるところが多く、会主の発句をもとに、参加者は落札希望額を声に出して競り上がっていきます。大型商品は会場までの運搬コストもかかるため、在庫処分目的で出品されているものが多いです。そのため、一般的な中古店で販売されている金額よりもかなり安い金額で仕入れやすくなっています。(人気の商材は取り合いになり、相場が上がります)

●ブランド品・宝石

ブランドバッグ、ブランド時計、宝石・貴金属類を取り扱う古物市場です。宝石やブランドアパレルを専門で開催している会場もあります。また、会場によっては、カテゴリーで開催日を分けているところもありますので、日程を確認する際には注意が必要です。

ブランドバッグでは、主にルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスなどのバッグや財布等の革製品を中心に、他にもアパレルやアクセサリーなどの小物類も出品されています。ブランド時計では、ロレックスやオメガなど、宝石・貴金属では、ダイヤモンドを中心に、ルビーやエメラルド等の色石(カラーストーン)が製品またはルース(裸石)の状態で出品されています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開催方式は従来からある手競り型に加え、オンライン型、入札型に分かれてきています。

●骨董・古美術

骨董品や古美術品を取り扱う古物市場です。絵画や茶道具、掛軸、陶器、刀剣、甲冑などが出品されています。市場によって特色が異なるため、注意が必要です。大半が手競りで行われていますが、一部オンライン型も開催が始まってきています。

●各種専門商材

上記以外に商材カテゴリーが絞られた古物市場があります。古書、カメラ、着物、オフィス家具、バイク、パソコン等のデジタル機器、建機などがあります。

3:開催日と時間を調べよう

お目当ての商品カテゴリーを扱っている古物市場が見つかったら、次に開催日と開催時間を調べましょう。古物市場は、毎月や毎週固定の曜日や日にちで開催しています。中には不定期で開催している会場もありますので、開催日と開始時間を必ず確認しておきましょう。終了時間は、物量や進行状況によって異なる場合があります。

4:参加に必要な費用

初めて古物市場に参加される場合、必要な費用を確認しておきましょう。参加費や手数料(歩銭)は、必要なケースが多いですが、その他の費用は会場によりますので、確認しておきましょう。

入会費...入会時にかかる費用

年会費...1年に1回支払う費用

参加費...会に参加する度に発生する費用(昼食・飲物付の場合が多い)

下見費...下見をする際に発生する費用

手数料(歩銭)...売り手(出品者)、買い手(落札者)の両方またはどちらか一方にかかる費用。

手数料(歩銭)の仕組み

手数料(歩銭)は、売買の成立に応じてかかる費用です。まず確認しておきたいのが、競りの方式が外税か内税かです。つまり競りで発声や入札する値が税込みか税抜きで行われているかの違いです。これによって落札価格や手数料が大きく変わってきますので必ず確認してください。内税か外税かで売り手、買い手どちらか一方が有利・不利ということはありません。

(例)外税方式・買い歩0%・売り歩3%で、落札金額が100万円の場合

それでは、例を見ていきましょう。外税方式・買い歩0%・売り歩3%で、落札金額が100万円の場合です。落札金額100万円ですが、外税方式のため買い手(落札者)は、古物市場に110万円を支払います。この際、買い歩は0%ですので、110万円を支払うだけです。売り歩が3%ですので、110万円の3%にあたる3万3000円が手数料として引かれ、106万7000円が売り手(出品者)に支払われます。

古物市場 外税方式

(例)内税方式・買い歩5%・売り歩0%で、落札金額が100万円の場合

次に内税方式の例を見ていきましょう。内税方式・買い歩5%・売り歩0%で、落札金額が100万円の場合です。落札金額100万円ですが、買い歩が5%かかりますので、100万円の5%に当たる105万円を古物市場に支払います。売り歩は0%ですので、100万円が出品者に支払われます。*買い歩は別途消費税がかかる場合があります。

古物市場内税方式

古物市場によっては、売り歩・買い歩の両方を設定していたり、落札価格によって手数料割合が異なる場合があります。また、内税方式の場合、手数料の割合に別途消費税がかかる場合があります。一部の市場では、出品者に落札額の一定割合をキャッシュバックする方式を採用しているところもあります。各市場の手数料形態を必ず確認するようにしましょう。

5:初めて参加する場合の手順

初めて参加される場合は、古物市場に連絡またはホームページから申し込みをしましょう。申込みの際に古物商許可証のFAXやアップロードを求められることが多いため、準備しておきましょう。また、市場によっては新規会員を募集していない、または既存の参加者の紹介がないと入会できない会場もありますので、ご注意ください。

参加受付が完了したら、会場やオンラインで参加してみましょう。リアル会場に参加する場合、入会金や参加費を開催当日に受付で支払う必要があるため、準備をしておきましょう。

会場で商品を落札した場合、支払いを終えないと荷物を持ち帰れない、または発送してもらえない場合がありますので、ご注意ください。開催の途中で会場を抜ける場合は、必ず「精算をお願いします」と事務局の方に声をかけ、精算を済ませた上で会場を離れるようにしましょう。

6:【Q&A】知っておきたいリアル会場での参加マナー

席はどこに座ればいい?

会場では、振り手(オークショニア)の位置が正面となります。最前列は既存の買い手が着席するケースが多く、会場によっては各参加者の席が決められている場合もあります。どの位置に座ればいいかは事務局に確認してから座った方が無難でしょう。

*道具市場では、会場に席が無く歩きながら競りを行う形態もあります。

写真や動画の撮影はNG?

古物市場会場内では原則、写真や動画の撮影をNGとしているところが大半です。商品などの撮影を行いたい場合は、事務局に許可を得た方がよいでしょう。

発声する際に気をつけることは?

振り手(オークショニア)の発句をもとに出品物の希望落札額を指していきます。聞き取りやすいように大きな声で発声しましょう。発句を下回る値を指すのは厳禁です。また、他の参加者の希望落札金額を聞いた後に、遅れてそれを上回る金額を声に出して指すのもマナー違反です。振り手から金額を拾ってもらえない、または注意される場合がありますので気を付けましょう。競り上がりの場合は、500円、1000円や1万円などの単位がありますので、事前に事務局に確認しておきましょう。その他、会のスムーズな進行を妨げるような行為はマナー違反に当たりますので注意してください。

商品や値段を間違えて落札してしまったら?

勘違いなどから商品や値段を間違えて落札してしまった場合は、速やかに事務局に相談するようにしましょう。会場によっては、取消しを行い、振り直し(落札を取り消して再度競る)をしてくれる場合があります。何度も繰り返していると、会の進行を妨げる行為として注意されますので、ご注意ください。

7:まとめ

古物市場についての理解は深まったでしょうか?オンライン型の古物市場も増えており、初心者の方でも参加がしやすくなってきています。また、リアル会場では多くの商品を見て、それがいくらで落札されるのかを確認できるため、目利きを磨くことができます。さらに、参加者同士の交流により、貴重な情報が得られることもあります。

リユース経済新聞では、新規入会を募集している古物市場会場を調査しており、一覧で見ることができます。ぜひ気になる古物市場を調べるのに活用してみてください。また、特定の古物市場の記事なども調べてみると、目当ての市場のことをより知る事ができます。ぜひ、この機会に古物市場に参加してみてはいかがでしょうか?

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