古書店主に、思い出に残っている一冊を紹介してもらうリレー連載。第三回は、古本遊戯流浪堂の二見彰さんの紹介で近代書房の山本豊彦さんが登場する。
古書店をやっていると、一生に一度や二度、大きな買取りにぶつかると言われています。
一生に一度の大きな買取り
著名収集家の旧蔵品
百馬之図
自適斎藤原尚信(狩野尚信)画 古賀源太郎(川辺御楯) 写し 夕顔巷(林羅山) 序
平成3年が私にとってのその時でした。林若樹氏という明治から昭和にかけての収集家の旧蔵品をお孫さんから委託され、私が市場に出すことになったのです。
戦前にも、この方が収集したものが市場に出たことがあったようですが、それきり散逸していたと思われていました。
第512号(2021/5/25発行)19面