「業」へとステップアップ、コロナ禍で増える個人古物商
2021年05月24日
新型コロナ禍による生活変化や本業の収入減などにより、ライトに「せどり」をしていた個人が古物商許可を得て「業」へとステップアップする動きが増している。インターネット上には解説動画やコミュニティが溢れ、初心者向けの情報源となっている。
コロナで増える個人古物商
「せどり」からステップアップ
2020年末時点で古物商許可件数は39万5526件
「古物市場に興味があります。初心者なのでどなたか一緒に」。ラインのメインアカウントと切り離し、匿名で会話できる「オープンチャット」。出張買取を営むリユースマイル(東京都清瀬市)が立ち上げた、古物初心者のコミュニティでは、セールス目的を除けば何を発しても構わない。「市場で物を盗まれたことがあるので要注意です」。生々しい意見が飛び交うこともある。
店頭購入品などをネットオークションなどで転売することを指す「せどり」。以前なら隙間時間に気軽にやっていたせどりを、コロナ禍で増えた在宅時間を有効活用してステップアップさせ、本業以外の柱にしてみる。オープンチャットの中で、そう意気込む人もいる。本格的な業となれば定期的な仕入れが必要なことから、ネット上の解説動画や記事を見て、大量の商品と出会える古物市の門戸を叩く人が増えている。
日本リサイクルオークションつくば(茨城県稲敷郡)には新規の問合わせが月に10件ほど入っている。高野拓也会主は「せどり上がりの20~30代が多い印象。ユーチューブやSNSから情報を得ているよう」と話す。
第512号(2021/5/25発行)1面