改正特商法が定める訪問購入(出張買取)のルールは複雑だ。トラブルを未然に防ぐためにも、どういう場合にクーリングオフが適用されるかなどをきちんと把握しておきたい。業界団体のジャパン・リサイクル・アソシエーション(JRCA)と新田・天野法律事務所を訪ね、正しい出張買取について聞いた。
「他にありませんか?」訪問宅で言ってはダメ
不招請勧誘の禁止に抵触
訪問宅でお客から了承を得ないまま物品をかっさらう、「押し買い」。これが問題となり特商法が2013年に改正された。一番のポイントは、出張買取により手放した物品にクーリングオフがきくようになったことだ。売買契約書交付から8日以内であれば、お客は物品を取り戻すことができる。ただ、すべての場合にこれが当てはまるわけではない。クーリングオフの適用除外例は、【表】を抑えるとよい。
- 改正特商法により出張買取による売買契約はクーリングオフができる【表】
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クーリングオフできる クーリングオフできない 右以外の場合 - 自動車(二輪を除く) 、家具 、携行が困難な家電 、本/CD/DVD/ゲームソフト 、有価証券
- 事業者間の取引
- 海外にいる人に対する契約
- 御用聞き取引(店舗を有する事業者が定期的に顧客住居を巡回訪問し、物品の売買契約の申込みもしくは売買契約の締結の勧誘を行わず、単にその申込みを受け、または請求を受けてこれを締結して行う買取り)の場合
- 常連取引の場合(店舗を有する事業者は、当該訪問日より前1年間に相手方との取引が1回以上あった場合。無店舗の事業者とは、取引が2回以上あった場合)
- 住居からの退去に際し、売買契約の相手方から取引を誘引した場合
第515号(2021/7/10発行)7面