家電量販店最大手のヤマダホールディングス(HD)が、20年3月に設立したヤマダ環境資源開発HD(群馬県高崎市)。リユースから最終処分場まで、静脈ビジネスを垂直統合すると言う。ヤマダデンキでの中古家電販売強化に伴い、工場を新設。30万台超の再商品化を目指す。構想を桑野光正社長に聞いた。
工場新設し中古家電再生を年30万台超に
リユースから処分場まで自力でSDGsに対応
── 以前からヤマダでは家電リユースのシー・アイ・シーやPCリユースのインバースネット、リサイクル企業の東金属がグループ内で事業を展開していました。これら企業を傘下に収めたHD設立の経緯は。
桑野 家電などのリユースやリサイクル、それでも処理できなかったものは、焼却施設や最終処分といった資源循環を一気通貫で行うために弊社を設立しました。世界が大きく変わって、循環型社会に貢献する事業をやるのが世界の普通になってきています。業績だけ上げていれば良いのではなく、循環型社会に貢献し、CO2を減らしながら業績を上げないと企業として認められない。ヤマダは住空間全てが揃う提案をしています。買って頂く時の交換や廃家電や廃材など裏の処理もきっちりやらないといけないと考え、今回の流れができ始めました。
── 外部の企業を活用するとか、やり方はいろいろあると思います。最終処分場まで自社でやる必要があるのでしょうか。
桑野 もちろん他の考え方もあるでしょうが、ヤマダは自力でSDGsに対応していくことにしました。他力本願でやったらそれは認められないでしょうし、差が大きく出てくると考えているためです。今まで環境の話とかCO2削減の話はだいたいコストばかりかかって、寄付的な話が多かった。これを事業化しながら環境に配慮していくことが常識的になってきたので、事業として考えることが重要だと思います。今回の大きな流れの中で、一番最初に来るのがリユースです。
第516号(2021/7/25発行)13面