経産省認定「健康優良法人」、リユース企業に広がる
2021年08月05日
古物を扱うリユース企業において社員の健康を推進した取り組みが広がりを見せている。禁煙推進のために補助金制度を定めることや社員への健康に対する意識変化を促す勉強会を設けている企業もある。経済産業省が認定を行う「健康優良法人」など、ホワイト企業の1つの指針とする制度もある。リユース企業の現状を取り上げていく。
実際の認定書(浜屋提供)
健康経営優良法人とは経済産業省が2018年度より、健康経営において特に優良な取り組みを実践している大規模法人を顕彰する制度として開始された。現在は大手中小含む1000社前後が認定を受けている。認定を受けるメリットとしては、企業イメージ向上から人材採用の強化に繋がる。健康面の改善から働きやすい環境となるため、社員の生産性が向上することや融資などで優遇措置を受ける点がある。
浜屋、元気の平和堂、喫煙者ゼロ化へ
総合リ店を運営する浜屋(埼玉県東松山市)では、社員の健康なくして会社は成り立たないという小林茂社長の考えに現顧問健康管理士の及川寿彦氏が共感。健康経営について2018年より取り組みを始めている。昨年より実施している禁煙チャレンジでは、6ヶ月の禁煙成功で数万円を支給するというもの。禁煙に参加した社員(非公開)の内、約3割が成功した。今年は会社全体での取り組みとして行い、全体での禁煙目標を定め、達成できた際には社員全員を対象に報酬を用意。社員全員で協力して行うサポート体制を強化していき、喫煙者ゼロ化を目指していく。人事総務部の若林善則部長は「周りのサポートがあることで1人では禁煙できない社員を支えていきたい」と話す。
総合リ店、リサイクルモールみっけを運営するゲンキの平和堂(千葉県柏市)や音響機器の買取販売を行うケイズサウンド(北海道札幌市)も同様に禁煙促進を行っている。ゲンキの平和堂では喫煙者ゼロを実現している。数年前に禁煙できなければ退職という施策をルール化した。それまで社員の約7割が喫煙を行っていたが禁煙を理由に退社する社員は一人もおらず、ゼロ化を実現した。藤本侑也社長は「ケアをしていても接客時にお客様に口臭や体臭で悪影響を及ぼすリスクは拭えない。また、非喫煙の立場にたった際、働いてないなどの声もあった。健康にも悪影響しか及ぼさないため思い切った施策として」と話す。新規採用を行う際には、採用欄に喫煙の有無を設け、喫煙者の場合は採用を見送るなど徹底している。
第516号(2021/7/25発行)22面