リサイクル通信が独自にリユース市場規模の推計を行ったところ、2020年の市場規模は前年比2.5%増の2.4兆円となった。調査対象とした2009年以降11年連続での拡大。新型コロナの影響により、成長率は減速したものの拡大傾向を維持している。
CtoC市場規模が1兆円超え
2020年の市場規模は前年比2.5%増の2兆4169億円。新型コロナの影響がある中、11年連続での成長は維持した形だ。販売経路別では、店舗販売が前年比8.3%減と苦戦。昨年の4月に緊急事態宣言が全国に発令され、休業や時短営業を強いられた。その後は回復傾向に向かったものの、インバウンド需要が消失したのも響いたと見られる。EC販売を強化した事業者も多かったため、ネット販売のBtoCは2.0%増と前年を上回った。店舗販売の不振が響き、BtoC市場で見ると前年比5.2%減となっている。
フリマアプリ等のネット販売のCtoCは、前年比14.7%増と拡大。1兆583億円とついに1兆円を超えた。外出自粛やテレワークにより在宅時間が増えたことで、片付けに伴う出品等が増えたものと見られる。
商材別では、トレカを含む玩具・模型が前年比23.7%増と大きく拡大。家具・家電も9.5%増と巣ごもり需要により拡大した。また密を避けるアウトドアやスポーツ用品も19.8%増と伸びが著しかった。下降傾向であったパソコンも、テレワーク需要により回復し12.2%増となった。一方でインバウンド需要の消失や外出機会の減少等の要因が影響してか、ブランド品(13.2%減)やカメラ(10.6%減)は前年を大きく下回った。
コロナの影響により、マーケットに停滞感が見られるが、今後も市場の拡大トレンドは変わらないと見る。既に企業業績において復調の兆しが見えており、2022年には3兆円規模となる模様。CtoCの市場規模がBtoCを上回る見込みで、リユース市場は個人間取引が主体となっていきそうだ。また、2025年は3兆5000億円に拡大すると予測、これまでの市場成長率を鑑み上方修正した。不用品を売却したり中古品を購入したりすることは今や珍しいことではない。SDGsの流れも追い風となり、持ち物の換金や割安な商品購入という経済合理性、再利用という環境配慮を両立するリユース市場が拡大することは必然の流れと言えそうだ。
第519号(2021/9/10発行)9面