素人感をあえて出している
動画で他店を紹介
「古着屋をしようと思ったきっかけは20年の春ごろにコロナでバイト先の居酒屋が潰れたこと」と今さんは説明する。同店は今さんが近畿大学在学中に始め、同大学のサークルの後輩2人を誘って本格化した。大阪の各古着店を紹介するTik Tokの動画が若者の間で話題を呼び、昨年12月には大阪の北区に実店舗を開いた。
強みはTik Tok。1本の動画の最高再生回数は220万回。週に2~3回の頻度で投稿し、企画内容によっては毎日することも。動画の内容は「古着コーデ」や「古着の知識」や「ベールの開封」などがあり、中でも特に注力するのが「古着店紹介」動画である。素人が古着店を巡るような雰囲気で作られている。たとえば、背中ごしに店内を歩く様子やハンガーラックから服を探す様子などを撮影し、視聴者があたかも古着店に紛れ込んだかのような臨場感を演出している。モデルは「チャンキー」こと鍛冶泰成さん。いわゆる「高身長イケメン」の鍛冶さんが登場することも、再生数を獲得する一助となった。これまで30~50店ほどの古着店を撮影・紹介し、約100本の動画を投稿。今さんはあくまでTik Tokのフォロワーを獲得するために上げていたが、動画は紹介された古着店にしてみれば結果的に無料の販促となり、同業との関係構築にも繋がった。Tik Tokにはすべての情報を書き込まないように意識し、営業時間や所在地や在庫内容などの情報はインスタで紹介している。「TikTokでアウトプットすることで、各古着店の良い点を理解する機会にもなった」(同氏)。
ベールの開封も受けがいいという
第529号(2022/2/10発行)7面