毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第21回。
涙の給与遅延 心からの懺悔とメッセージ
カラ元気は処世術
1000回を超える「明日倒産!?」の経験。数えきれない謝罪の日々...。M&Aのとんでもない失敗や、敵対的買収の危機。会社を経営していて資金繰りに詰まったり、倒産しそうになったりした経験のある方はその時の気持ちをどうやって表すのでしょう?それも1年や2年じゃなく、10年間、毎週、毎月倒産寸前の日々...。
僕は「グエエー」で表現したんですが、実際どんなに資金繰り表とにらめっこしても、どーしてもお金が足りない時は、本当に動悸が激しくなったり、胸がギューと苦しくなったり、目の裏が熱くなったり、こめかみ辺りがキーンとなったりします...。けれど一緒に働いている経理メンバーや周りのスタッフには「軽口」を叩く。こんな時胸の内は、ホントに言葉にできないくらい苦しく悲しい。でも、その感情をオールスルーしておもいっきり寝て、走って、ガハハって無理やり笑って、完全に気持ちを前向きにもっていく術を覚えた。
けれど、何よりも辛いのは、長く一緒にやってきた仲間に「三行半」を突きつけられる事。こんな状況に耐えて頑張ってくれたことに感謝以外ないけれど、本当に悔しい。何が悔しいって、これまで頑張ってくれた仲間に良い目を見せてあげられなかったこと。何度も何度も「やめようかな」って心の中では思いながら、「イヤもういっちょガンバロウ」って思い直してくれて、僕の「次こそはV字回復だ」って言葉を信じてくれた仲間たちが、辞めざるをえない辛さを思うと本当に悔しいし辛い。
第530号(2022/2/25発行)20面