悪質な「先払い買取」に法の網、弁護士ら団体が国に要請
2022年03月08日
「先払い買取り」を装い貸金をし、不当に利息を乗せて返済を請求するなどの悪質業者が横行している問題を受け、弁護士らによる団体が国に規制強化を申し入れていることがわかった。先払い買取りが闇金融の一種と解釈されると、真っ当な買取業者はビジネスがしづらくなる懸念がある。リユース業界からも声を挙げていくべき事案だ。
古物売買装い貸金が目的
リユース業界で一時期広がっていた先払い買取りとは、利用者から宅配買取業者へ物品が届く前に、利用者に代金を払うというサービスだ。業者は利用者から物品の写真や状態などの情報を送ってもらい、それらを参考に値付けする。「即時買取」「スピード買取」「ノールック買取」などと呼ばれ、新しいスキームとして注目を集めていた。
現在横行している問題とはこのスキームを悪用したもので、お金に困っている人をターゲットに「物品の写真を送ってもらえれば代金を前払いする。後で物品を送ることにはなるが、送らなくても違約金を払えばよい」などと誘い出す手口だ。古物売買を装い、実態としては金融であるとされ、多重債務に陥る被害者が増えている。
昨年12月に約30人の弁護士や司法書士により「買い取り金融対策全国会議」が立ち上がり、金融庁や警察庁に先払い買取りの規制強化を申し入れていた。同会議が把握している相談数は40件を超える。
第531号(2022/3/10発行)1面