「学生服リユースショップさくらや」が今月、100店を超える見通しだ。創業者・馬場加奈子氏が育児経験者から共感を集め、全国にパートナー店を拡大。企業などに回収箱を設置するなど循環の仕組みも作ってきた。今後は優良の中古学生服店を認定する取組みをNPOとして広げる。馬場氏に話を聞いた。
全国100店、"共感"で紡ぐ学生服リユースの輪
地域のママが継続経営できる仕組み作り
内閣府の運動に参画、500ヵ所に回収箱
「さくらや」創業者
馬場 加奈子 氏
全国100店を超える「さくらや」は、馬場氏が2011年に香川で1号店を開業したのが始まり。13年にサンクラッド(香川県高松市)を立ち上げ法人化し、14年より"ママさんオーナー"を募り、「パートナー店」を増やしてきた。
事業のきっかけは馬場氏自身の困った経験からだった。シングルマザーとして1男2女を育てている馬場氏は、当時小学4年生だった次女から「学生服がきつくなったから、新しいものを買ってほしい」と言われた。3人の子を育てている中で、上下で2万円もする新品を買うことは大きな負担に。リユース店を回っても取り扱っていない。また当時はフルタイムで働き、子どもの学校行事に行けずママ友に相談できる機会もない...
当時勤めていた会社の同僚に相談すると、同じような悩みを持っている人が多いことを知った。周りのお母さんに共感してもらえたことが後押しとなり、学生服の中古ビジネスを立ち上げていった。
── 2年前は全国50店程。そこから随分と店舗が増えました。
馬場 今月には100店を超える予定です。
── どのような仕組みにより店舗を増やしてこられたのか。
馬場 子どものそばにいながら働けるという、さくらやの働き方に賛同してくださっている点が大きいです。またコロナ下の今、副業でもう1つの収入源を持っておきたいという方が増えています。
第531号(2022/3/10発行)9面