マイクロソフトの「オフィス」を不正搭載したパソコンの出回りを受け、楽天市場がセラーに注意喚起している。一般販売されていない法人向け複数ライセンスを取得し、ばら売りする行為などは権利侵害に当たる。楽天から除外された中古業者もいると噂に上り、不正が横行すれば中古品を扱う業界の信頼失墜になりかねない。
不正なオフィス付きPCが出回り
楽天、中古セラー一部を除外か
オフィスの再販売はライセンス契約違反だ
格安販売、権利侵害の可能性
「不正オフィスとセットで格安販売している業者がいなければ、うちの売上高は倍になる」。秋葉原などで中古パソコン(PC)店を営む会社役員はこう憤る。秋葉原の同店では顧客がオフィスとのセット購入を希望すれば、インストール代として最安(オフィス2010の「ワード」「エクセル」「アウトルック」)1万5000円(税込)で提供。PC端末代を3万円台とすると、普通なら合計金額は4万円を超える計算だ。
本紙が複数の中古PC販売業者に聞き取りしたところ、「楽天でオフィス2019付き中古PCを最安2万円程で格安販売している会社がある。オフィスの金額を考えるとあり得ない」との情報が上がった。当該の会社に本紙が問い合わせると、「既に楽天のセラーではない。楽天との交渉でそうなった」。不正オフィス付きPCを扱っていたかの事実については口にしなかった。楽天に問い合わせると、「個別店舗への対応については回答を控える。消費者保護の一環として、ブランド権利者と連携の上、不正商品のモニタリングや出店店舗への注意喚起を実施している」。楽天は直近では、昨年12月23日に「マイクロソフト関連商材における権利侵害品に関する注意喚起」の旨で、関係セラーにメールを一斉送信していた。当該の会社は楽天からの通達を受けた後にセラーでなくなったとみられる。
第533号(2022/4/10発行)1面