板蔵ファクトリー、 一枚板製品をサブスク提供 「100年使える家具」循環
2022年04月27日
一枚板の家具を月額制で利用できる
板蔵ファクトリー(岐阜県瑞穂市)は3月、無垢一枚板家具の月額制サブスクリプションサービス「ITAKURA SUBSCRIPTION」の開始を発表した。同社製の木製テーブル等を月額で提供し、既存のテーブルや返却された一枚板家具を再生し循環させる。
同社は木材のうち、一枚板を活用した家具を中心に扱う。ショールームに展示する完成品50点を中心に、在庫6000枚から選ぶオーダーメイドにも応じる。テーブル以外の家具も可能な範囲で対応する。オーダーメイド時の納期は1ヵ月程度。
仕入れから再生までをグループで対応できることが、サブスク事業を開始する後押しとなった。原木の仕入れや乾燥などを親会社のヤマガタヤ産業(岐阜県羽鳥郡)が行い、板蔵ファクトリーで家具への加工、販売やメンテナンスを行う。
11万円の家具の場合、料金は1年目が2700円、以降35ヵ月目まで3200円、最終月4000円の設定(価格は税込)。契約終了時に所有か返却を選べる。36ヵ月契約で、商品交換配送費を支払えば、契約期間中に一度だけ交換を受け付ける。1年未満の返却時は、初年度の月額合計金額の支払いが必要。以降は2万7500円で家具の変更や解約を受け付ける。法人契約のみ期間終了時に販売価格の最大20%で買取る。また入れ替えで不要になった家具の処分にも応じる。無垢材を用いた家具は、削り直して再生する。
通常のテーブルは集積材と呼ばれる多層型の材木を使用しており、長期的な使用に向かない。同社の一枚板は、使用後に表面を削り直すことで、新品として販売できる。吉田香央里社長は「無垢一枚板のテーブルはメンテナンスをすれば、3世代100年以上に渡って利用できる」という。
月額制とすることで初期費用を抑える。法人の場合は経費として計上でき、税制面にメリットがある。従来の応接間や会議室への設置に加え、居抜き物件にリフォームして入居する店舗、個人宅などでの使用を想定する。樹齢が500~1000年を超えるものもあり、製品の持つストーリー性を強みに顧客層を拡げる。
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