遺品整理、大手リユース店も本腰
2022年06月20日
行きつけのリユース店に、遺品整理もお願いしてみる―――。こういう時代が近い将来、やって来るかもしれない。ブックオフはこのほど、「かたづけ」の新事業を始めた。トレジャー・ファクトリーやハードオフFCジーのエコノスといった上場企業も、旗艦事業とは異なる屋号を掲げて、この領域で独自サービスを手掛けている。大手リユース店が本腰を入れれば、既に先を行く整理専門の中小事業者との競争も激しくなる。今後の動向に注目したい。
「ブックオフおかたづけサービス」では遺品整理などを行う
ブックオフは5月23日、片付けのサービスサイトを立ち上げた。日本リユース・リサイクル回収事業者組合(JRRC)が認定する整理のプロ「遺品3Rディレクター」の資格を持った自社スタッフが物品(貴金属や家財など全般)を仕分けし、査定する。買取査定金額が、片付けの作業や不用品処理に係る費用から差し引かれる。
依頼者にとっては複数の業者に相談する手間が省かれ、ワンストップで依頼を完結できる良さがある。またブックオフでは国外にも店舗を持つことから、国内で取り扱えないものでも国外に流せる。依頼者はリユースによって負担する作業・廃棄費を節減できる。
販路を国外に
社名 | サービス屋号 | 備考 |
---|---|---|
ブックオフ グループホールディングス |
ブックオフ おかたづけサービス |
遺品整理や不動産売却にあわせて家屋内の物品をかたづける、個人向けのサービス |
トレジャー・ファクトリー | レガシー | 消費者が全国の相続・終活の専門家を探せるプラットフォームを運営するはなまる手帳と提携 |
エコノス (ハードオフとブックオフのFCジー) |
グッドセル | ネットから集客。自店の利用がない人から依頼が寄せられている傾向 |
ワットマン | - | タイ向けに荷造りをする神奈川県内のロジスティクスセンターのスタッフが、遺品・生前整理を担当 |
片付けや遺品・生前整理の参入においては、仕分けや引取・買取後の物品の行方を、セットで考えておきたい。
第537号(2022/6/10発行)28面