様々な業態のリユース店を訪問し、その時点で一番高い商品を紹介するこのコーナー。今回は東京都文京区で美術骨董品の鑑定・買取を行う本郷美術骨董館 東大赤門前本店。店で一番高い商品は、清青花果紋六角大瓶(大清乾隆年製銘)です。
文化大革命生き延びた傑作
本郷美術骨董館 東大赤門前本店(東京都文京区)
清青花果紋六角大瓶(大清乾隆年製銘)。絵柄は全て手描きで、非常に完成度が高い
染谷尚人事務所(東京都文京区)が運営する本郷美術骨董館は全国で15店舗を展開している。支店長は鑑定歴10年以上の目利きばかり。帝国データバンクから書画・骨董・美術品の買取・販売金額で国内ナンバーワンの評価を得たプロフェッショナル集団だ。
東大赤門前本店は中国美術と明治時代の工芸品を得意としており、コロナ禍前は中国人のお客が1日に30人から50人来店していた。そんな同店で一番高いモノは、清青花果紋六角大瓶(大清乾隆年製銘)、価格は2億2千万円(税込)だ。「清の乾隆帝は文化に対する造詣が深く、要求も厳しくて、少しでも絵付が歪んでいたら、陶工の首が飛んだそうです。この六角瓶はその時代の傑作です」と染谷尚人代表。
文化大革命で壊されそうになった時、所有者の末裔で、中国の外務省にいた官僚が日本の外務省の官僚に託し、海を渡った。10数年前、染谷代表はその日本人から5千万円で買い取った。一昨年、香港で同じ作り手による壺が約2億円で売りに出されたので、この値付けとなった。
東大赤門前本店は名前の通り、東大赤門の通りを隔てたビルの2階にある(左)。入口で仏像が出迎えてくれる(右)
第539号(2022/7/10発行)27面