StockBase(ストックベース、神奈川県横浜市)は昨年より、企業が放出する災害備蓄食品やノベルティを、必要な団体にマッチングする事業を運営している。仕掛け人は現役大学生。若者によるユニークなビジネスモデルに注目が集まっている。
横浜市立大の学生が起業
事業者の災害備蓄品を各種団体をマッチングする
同サービスの仕組みは以下の通り。まず企業は余剰となった備蓄食やノベルティなどのリストをストックベースに送る。するとストックベースのサイトに情報が公開され、各種団体が希望の品物を申し込む。ストックベースが配送を手配し、企業の倉庫から団体の事務所などに直送する。また企業に向けてどのような再活用が行われたかをレポートするオプションも用意している。森ビルや三井住友銀行など、大手企業が供給側で参画し、創業から1年で約30案件を手がけてきた。
フードロスの削減であれば、在庫買取と安価販売の仕組みで業績を伸ばす企業も多い。一方で同社の戦略は、買い取らず、売らないという独特の仕組みだ。手数料や送料は放出する企業側が負担する。企業は処分費用を再流通に回すことで社会貢献でき、量や流通先を追えることから各社のESG活動につながる。有価でも処分するよりPRにつなげたいという大企業のニーズを汲み取った。
第540号(2022/7/25発行)23面