ファッションアイテムの定額制レンタル(サブスクリプション)サービスを運営するエアークローゼット(東京都港区)が、東証グロースへの新規上場を果たした。レディース衣料を月額6800円からの価格で月1回・3着から貸し出し、30~40代の働く女性を中心に3万人超の月額会員を集めている。資金調達により、循環型物流倉庫を他社にも展開し、ファッション業界で進むサステナブル化への貢献を図る。天沼聰社長に話を聞いた。
"循環型"物流、外部にも提供
衣料レンタルに参入しやすく
エアークローゼット
天沼聰社長
── モノのサブスクリプションはリユース(二次流通)に近しい領域として、本紙ではここ数年サブスク企業を取材してきた。その中でも、上場を果たした企業はほかに類を見ない。
天沼 当社の「airCloset」では、会員から月額払いをいただいた上でファッションアイテムをレンタル提供しています。当社としても、モノのサブスクリプション銘柄としては初の上場企業だと認識しております。
── 足元では経済情勢悪化の渦中にあるが、なぜこのタイミングで上場を?
天沼 オペレーションを改善しモデルを構築できたタイミングで、上場の歩を進めようと元々から計画していました。
ファッション・アパレル業界は10年くらい9兆円の市場でしたが、ここ2~3年で7.5兆円に下がってきています。確かに、コロナ禍の影響は拭えていないですし、戦争による全世界的な情勢悪化もあり、上場についても判断に苦慮しました。ただ、以前ほどの外出制限がなく、経済回復とのバランスをとりながらの動きが推進されています。今後はコロナの影響が軽減されていく方向だと思っています。
第542号(2022/8/25発行)19面