毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第27回。
(前回までのあらすじ:11年前の大震災時、ドンドンは一丸となり被災地支援を行った。多くの人から感謝されメディアでも話題となり、結果として倒産の危機を乗り越えられた。現在はコロナ禍の真っ只中。緊急事態ではどういう心持ちが必要か。岡本社長の考えとは...。)
得を取るか?徳で判断するか?
緊急事態の時、「いわゆる常識的な判断」だけで判断することはとても危険だと僕は思います。これってやっぱり精神論?うーん、それは否めない。こんなこと言ったら怒られるかもしれないですが、人一倍努力するってのは当たり前で、成功も失敗も結局一言でまとめると「運」じゃないか?と。
成功者の本は書店に溢れかえっていますが、どの本も成功してからの後付けのように感じてしまうのはボクだけ?金融機関さんにもVCさんにも嫌われるかもしれないですが、本当の危機に直面している時や、収益や組織の基盤が乱れている会社は、「平均値」に基づいた判断そのものが仇になることが多い。「緊急時や倒産の危機」のタイミングは特にそう。
テクニカルなことを言えば色々ある。この世に出ている企業再生の本や破産に関する本はほとんど読んできたつもりだし、あらゆる資金調達コンサルや破産専門の弁護士や事業再生のスペシャリストにも会ってきた。だから、企業再生支援コンサル、弁護士の先生なんかに、藁をも掴む思いですがりたくなる気持ちはわかります。ですが、僕の経験上、ほとんどはお金を請求されるだけか、最悪は詐欺まがいの被害にあうだけなのでご注意を。
第542号(2022/8/25発行)26面