リサイクル通信が独自にリユース市場規模の推計を行ったところ、2021年の市場規模は前年比11.7%増の2.7兆円となった。調査対象とした2009年以降12年連続での拡大。新型コロナの影響が薄れたことで、需要が回復。2ケタ成長につながっている。
リユースに脚光、2.7兆円に拡大
BtoC店舗販売 1兆円弱に回復
- リユース市場規模の推移と予測
2021年のリユース市場規模は、前年比11.7%増の2兆6988億円。新型コロナの影響が薄れたことから、需要が回復。12年連続での成長となった。販売経路別では、全ての経路で前年を上回った。店舗販売が前年比12.0%増と回復。2020年は、緊急事態宣言による休業や時短営業を強いられたが、外出自粛等も薄れたことから販売が好調だった。また、ネット販売のBtoCも同14.7%増となった。コロナ禍でECに注力する事業者の流れが反映されている。
フリマアプリ等のネット販売のCtoCは、前年比10.4%増と堅調に拡大。片付けに伴う出品等に加え、利用者層の広がりが拡大を支えている。
商材別では、コロナの影響を大きく受けていたブランド品が回復。時計相場の上昇等も追い風となり、前年比19. 6%増と大きく伸びた。また、近年市場が拡大する玩具・模型も引き続き上昇し、同19.7%増となった。コロナで注目を集めるスポーツ・レジャー用品も同10.8%増と好調に推移している。
コロナの影響が薄れ、市場は大幅に拡大した。これまでもバブル崩壊やリーマンショック等の経済情勢の大きな変化を転機とし、リユース市場は拡大してきた。足下では物価上昇や新品不足等を背景に、割安な中古品に注目が集まっている。これらの追い風を要因に、2022年には3兆円規模となる模様。また、拡大トレンドは継続する見込みで、2025年には3兆5000億円規模になると予測する。不用品を売却したり、中古品を購入したりすることは年々世間に浸透しつつある。リユース市場は、持ち物の換金や割安な商品購入という経済合理性に加え、再利用という環境配慮を両立する。売ってよし、買ってよし、環境よしの3方よしのリユース市場は、SDGsの流れもあり、まさに時流に乗ったマーケットと言えそうだ。
第543号(2022/9/10発行)7面