破竹の勢いで成長するリユース企業が名古屋にある。大須にて店舗を構えるパーパス(愛知県名古屋市)だ。前々期年商30億円から、前期は円安を追い風に年商85億円まで急成長。今期、100億円の到達を見据える。背景には10年近く続けてきたビジネスモデルの変革がある。その軸は、システムを活かしたマルチチャネル化だという。天野隆之社長に訊いた。
中古ブランド海外販売が好調
国内外20のECモールへ
内製システムで併売
パーパス
天野 隆之社長
── 名古屋を拠点にブランドリユースを展開されている。現在の状況は。
天野 弊社は、高単価ブランド品の買取り・販売に特化した店舗を名古屋市大須に2店舗運営しており、複数のECモールでの販売も手掛けています。前期のEC比率は半分程度で、販売は国内6、海外4の比率です。平均単価がここ数年で上がっており、現状はバッグでも30万円以上です。バッグだとシャネル・エルメス・ヴィトンの3大ブランドが中心です。そのなかで粗利20%以上を確保できており、今期(23年5月期)はこのペースで行けば100億をクリアできる推移です。
EC×併売×海外で成長
円安も追い風に
── 前期、リユース売上高が85億円で280%成長。そして今期も100億円を視野に入れている。この成長要因は。
天野 外部要因としては、為替の影響、円安の恩恵です。内部要因でいくと、海外へ更に販路を広げていったこと。また、時計を強化したことで、高額系の販売が特に好調でした。その中で一番の要因は、1つの商材をマルチチャネルでの販売につなげていけたことです。弊社は独自の基幹システムを持っており、1つの商材を15~20のECモールで同時に販売しています。最近ではラクマ公式ショップでの販売もスタートして数ヵ月が経ち、予想以上の好スタートとなっております。メルカリショップスへの出品も、今まさに進めているところです。イーベイ、クロノ24、カタウィキなどの海外サイトも非常に好調に推移しています。
第553号(2023/02/10発行)9面