「平成レトロ」というキーワードが、Z世代を軸に世間を賑わせている。その対象の1つが「カメラ」だ。高性能スマホに慣れた若者にとって、フィルムカメラや初期のデジタルカメラ(以下デジカメ)が映す景色は、趣があるとされている。彼らに中古カメラを供給する事業者に「カメラ」のトレンドを聞いた。
コメ兵は初のカメラ催事を実施。手前は2002年発売のフィルムカメラ「FUJIFILM Silvi F2.8」、奥は2001年発売のデジカメ「キヤノンPowerShot A20」。
「平成レトロ」とは、名前の通り平成時代の商品・文化を楽しむ現象だ。これまでも、インスタントカメラや使い捨てフィルムカメラがリバイバルするなど、フィルムカメラは若年層から評価されてきた。若者が古くて新しいものを求めた結果、平成初期のアイテムにスポットライトが当たった形だ。
フィルムカメラ高騰
コメ兵は初の催事
こうした動向をうけて、コメ兵は1月に同社初の「平成レトロカメラ&ギターミュージアム」を、西武池袋本店で実施。フィルムカメラ、ギター、ベースなど合計100点を展示販売した。そのうちカメラは半数を占める。
客層は大きく2つに分かれる。1つはZ世代。エントリークラスの旧型カメラが持つ、独特の写りがSNSでうけている。また50~60代の男性からの反響もある。かつての高級モデルを見に訪れるのだという。
第554号(2023/02/25発行)11面